#31 ページ33
「情報交換しよう。」と私が言うと、彼は標的の番号を教えてくれた。
キルア「199番。」
「私は198番。」
キルア「じゃあ、どっちか捕まえたら聞き出せるかもな。」
「そうだね！よろしく頼むよ、相棒！」
さっきまでの喧嘩を忘れたかのようにそう言うと「お前の相棒なんて死んでもお断りだね。」と返された。
「何だよー、酷いなぁ…」
ブツブツ言いながら彼の方を見ると、そっぽ向いた顔の頬のあたりがほのかに赤く染まっているのに気付いた。
(もしかして照れてる？
意外と可愛いとこあるじゃん。)
少し生意気な弟が出来た気分で嬉しくなった私は彼をからかった。
「またまた、素直じゃないんだから〜」
キルア「うっせぇ、ばーか！」
「はいはい。」
*
標的を見つけることなく一日と半分が過ぎた。
「どこにいるんだろうね。」
キルア「もしかしたらもう殺されたかもな。」
「それは嫌だな…。」
行くあてもなく、拾ってきた木の実を齧りながら駄べっていた。
思ったよりも酸っぱくて顔を歪めると、彼が口を開いた。
キルア「…俺さ、キルア・ゾルディックって言うんだよね。」
「ん？私はAだよ。」
キルア「そうじゃねぇよ！っだから、ゾルディック！！」
「何？ゾルディックさんって呼んで欲しいわけ？」
イマイチ趣旨が掴めていない私を見て、キルアは有り得ないというような顔をした。
何よ…また歳上を馬鹿にしてんの？？
暫く見つめ合うと、彼はプッと吹き出しお腹を抱えて笑いだした。
「人の顔見て笑うなんて失礼ね。」
ムスッとした私の表情に、彼はヒーヒー言いながら返した。
キルア「悪い悪い。Aのこと疑ってたんだけど、なんかもうどーでも良くなっちまった。」
「…良く分かんないけど、疑いが晴れたならいいや。」
キルア「俺の家はその界隈じゃ結構有名な暗殺一家なんだよ。」
「へぇー、すごいね。」
キルア「すごいねって…Aにしろゴンにしろ、ちょっとは驚くとか怖がるとかないのかよ。」
「別にー。だって私の事殺さないでしょ。」
キルア「………多分。」
「その間は何！？」
キルア「冗談だよ。」
「疑って悪かった。」と謝る彼に、気にしないでと笑って返すと、森の奥から声が聞こえてきた。
「…誰か来る？」
キルア「あぁ。それに1人じゃなさそうだな。」
そろそろ私達の標的さんに出会える…かも？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 262人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かにかま(プロフ) - Ruiさん» コメントありがとうございます。折角のお誘いですが、細々と執筆活動に勤しみたいと思っておりますのでイベント等に関心はありません。こんな作品にまで声を掛けてくださってありがとうございます。生意気ですがお許しください…… (2020年8月12日 14時) (
レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
Rui - クラピカ大好き無理でしたらお断りして構いません長らくコメント失礼しました。 (2020年8月12日 9時) (レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
Rui - いつも楽しませて頂きますもし良かったらイベントで好きな作品読めるやっていますイベントというのはこんな感じ「https://uranai.nosv.org/u.php」日本語下手でもとんでもないです凄く読みやすかったですこれから作品頑張って下さい (2020年8月12日 9時) (レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 加奈さん» コメントありがとうございます。至らぬ点がございましたようで、申し訳ございませんでした。差し支えなければ、ご意見の方をお願いします。 (2020年3月27日 15時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - 意味わかって言ってんだね、君。 (2020年3月27日 15時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年7月26日 19時
