沖田さん、それ以上近づかないで下さい【沖田総悟】

沖田さんはお巡りさん7 ページ9

話を聞いていると、沖田さんはどうやら昔、よくうちの店に来ていたらしい。



まだおばあちゃんがお店をやっていた頃、棒アイスを買いによく来ていたそうだ。



「ココ、土方にバレねェ穴場スポットだったんでさァ。」



「…ひ、土方…？」




「そ。ニコ中マヨラー星人。」



「…何ですかソレ…。」



聞く所によると、どうやら土方さんという人は、沖田さんの上司なんだとか。沖田さん曰く、何でもマヨネーズをかけまくるヘビースモーカーで、日々迷惑しているそうだ。



「あー、土方死んでくれねェかなァー……。」


遠くの空を見つめながら、可愛い顔で酷いことを言う沖田さんに、少し笑みがこぼれた。



土方さんは、よほど沖田さんに嫌われているらしい。






「…まァ、俺の話はどうでもいいんでさァ。」



沖田さんは、アイスを食べ終えると、こちらを向いた。



「…っ………………。」



「アンタ、一人でこの店やってるんですかィ？」



「………え、……ええ……まぁ…………。………………潰したく、…無かっ…たんですよ…。…………子供たちと、……おばあちゃんの………く、空間を…。」



「…ふーん。」



私がたどたどしく話すのを、沖田さんはじーっと聞きながら、口にはさんだアイスの棒を上下に揺らしていた。




「……Aさん、力みすぎですぜ。」



「えっ………………あっ、…」



クスクスと笑う沖田さんの視線の先には、私の膝の上の握り拳。



「アンタさ、もしかして









━━━━━━━━━━━男性恐怖症？」









「……………((ｺｸﾘ……。」



私は、頷くことしかできなかった。

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