協力者 ページ48
「お前、俺らと協力しないか?」
『え?』
「中也さんが殺されそうってさっき言っただろ。動けるのはお前しかいないとも。言ったよな?」
『い、言いました…!』
「他の一般人魚を避難させるのはいいとして、俺らは中也さんを助け出してからじゃなきゃ逃げられない。臣下が君主を置いてくわけにはいかないからな」
『つまり、人魚全員をこの海から避難させるには、中也の安全が確保されてからじゃないと不可能…ってことで合ってますか?』
「あぁ。中也さんを助けるために、お互い協力しないか?」
真っ直ぐこちらを見つめる瞳は、嘘をついているようには見えない。信頼できると思った。
それに、もうこの人たちに協力するしかないかもしれない。
『分かりました、必ず中也を助けましょう。こちらこそお願い致します…!』
「あぁ、よろしくな!」
『はい!頑張りま…っは、…くしゅんっ…!』
まずい、本当に冗談抜きで寒い。立原さんに捕まってないと本当に気を失ってしまいそうだ。
「あー大丈夫か?体冷えてるな…待ってろ、今陸に連れてってやる」
『うぅ、は、はい…すみません…』
捕まってろ。立原さんはそう言って、私をおんぶして泳ぎ始めた。海水は冷たいけれど、人肌に触れているだけでも少し暖かく感じた。
ーー
ー
「…ぃ、おい、起きろ!着いたぞ!」
『…ん…ぇ、あ…お、おはようございます…、』
「まだ夜は明けてないぞ」
いつの間にか着いていたらしい。どうやら市場や街から少し離れた岩場のようだ。
薄暗い中周囲をよく見ると、立原さんともうひとり知らない人がいた。黒髪で端が少し白くなっている男の人。
「A、ここからは芥川さんと行動するんだ。俺は一度戻って紅葉さんと一般人魚を避難させる。そうだな…1日後にまたここで合流だ。」
「芥川さん、Aをよろしくお願いします」そう言って立原さんは海へ消えていった。
この人、芥川って言うんだ。
髪や服装を変えたとはいえ、私この国では顔が割れてるのに、人間と行動しても大丈夫なのかな…?お城に報告されたら終わりなんだけど…
『…芥川さんですね、よろしくお願いします』
「貴様がAか。事情は貴様が気絶してるときに立原から聞いた。…なんだ、その格好は。女の癖に露出狂か?」
『ろっ…!?ち、違います!これは仕方なく…くしゅんッ!』
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
89人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時