逃げて! ページ47
『人魚さん!信用できないかもしれないけれど、近いうちに人間が攻撃を仕掛けてきます!早く仲間を連れてこの海を離れて下さい…!』
「は?人間が攻撃…?」
必死に訴えると、目の前の人魚は困惑したような表情を浮かべる。当たり前だろう。長い間利害の一致で協力していた人間が、攻撃を仕掛けるなんて話、突然過ぎて…
「それが本当だとして、どうしてお前は俺にそんなこと教えるんだ?お前は人間なんだろ?」
『…虐殺を始めるって言い出したのは、私の友達…大切な人なんです。でも、そんなの酷すぎるから。お願いします、私しか動ける人がいないんです…中也が、殺されそうなんです。』
中也、まだ殺されてないかな。大丈夫かな。
最後に見た中也の顔を思い出して、涙が滲んできた。こうしている間にも、着々と準備は進んでいるのだろう。
「今、中也って言ったのか?」
『え…』
「俺も中也さんを探してた。俺だけじゃない、他の奴らも帰ってこない中也さんを探してる。」
わずかに緊張が走り、若干の敵意も感じる。寒さとは別の震えが襲ってきた。
「………お前、誰だ」
『わ、私はAです。今はこんななりですけど、一応王家で…あのお城から逃げてきました。』
「A…?王家って、まさか紅葉さんが言ってた奴か…?」
紅葉さん…!浜辺で会ったことのある綺麗な女の人魚さんだ!私が契約について知るきっかけを与えてくれた…。
『紅葉さんって、紅髪の綺麗な人魚さんのことですよね?確か、中也のお姉さんなんだとか…!』
「あぁそうだ。…お前こそ、もしかして生贄の家系か?とすると、中也さんが迎えに行ってたのはお前だな?」
『は、はい…』
中也がそんな目的で来てたのかはよく分からないけど、どうやら相手も契約のことを知っているらしい。
それにしても、生贄の家系なんて呼ばれて方もするんだ…もう生贄って言っちゃってるし…
「ん〜…嘘はついてないな」
『あの、貴方は誰ですか?契約や中也さんのことを知ってるってことは、貴方も紅葉さんと同じ…?』
「俺の名前は立原ってんだ。紅葉さんより下っ端だが、人魚の王家に仕えてるって点は同じだ。」
立原さん、か…なるほど、王家に仕える人魚さんか。
だから半分行方不明状態の中也さんを探してるわけだ。
すると、立原さんはなにか思いついたようにこちらを見た。
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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時