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偽り ページ38

朝が来た。流石に部屋から出ないままではいられない。昨日の夜から何も食べてなくてお腹も空いている。

『(でも、どんな顔で出ていけば…)』


そう考えながらドアを開ける。


ガチャッーーー



「Aおはよう!体調は大丈夫?」

『わっ!?』


部屋の前に爽やかな笑顔の治がいた。


『ま、待ってたの?』

「うん。結局、昨日は夕食一緒に食べられなくて寂しかったから、早く会いたくてね」

『…ごめんね』

「…なんだか元気がないね、どうしたの?」

『別に、そんなことは…』

「よぉ」



口を開いたタイミングで中也が来た。私は反射的に目を反らしてしまった。


「やぁ、中也」

「…手前ら何してんだ?」


中也が、私と治を見て僅かに目を細めた。

もし、中也の機嫌を損ねたら…。慌てて治と距離をとり、中也の手を引いた。


『み、みんな集まったね。朝食食べに行こう!もうお腹ペコペコだよ…!』



中也を怒らせてはいけない。頭はそのことでいっぱいだった。国を巻き込まないで…そんな思いを込めて、中也の手を強く握る。



「……」


ーー



それから数日、私は中也の機嫌を損ねないように気を配る生活を送っていた。

何をするにも、全て中也を優先した。機嫌を損ねないよう、私が選んだのは中也だと言うことを信じてもらう為に。


ーー



「ねぇA、中也に何を言われたの」

『……………え?』



中也が席を外した時にそう問われた。



「最近中也を怖がってるよね?」

『な、にが』


会話を中也に聞かれたら…緊張で喉が乾く。
すると、治は膝の上で固く握っていた私の手を優しく包んだ。驚いて顔を上げる。


「安心して、中也はまだ来ないよ。私もいるし話してごらん」

『…』

「話す気はないのかな、では私から言うよ。契約のことを知ったんだね?」

『…海は、この国にとって重要なの』

「だからって君が犠牲になることはない。私とAで海に頼らない方法を探そう」

『…っ…駄目なの。ごめんなさい、私やっぱり治と結婚できない…っ…、国民を巻き込みたくないの…』

「私を信じられない?」



違う、そうじゃない。

治のことは信用に足る人物だと思う。だけど、中也はいつでも津波を起こせる。私はそれを阻止するためにも、中也と一緒にいなきゃ…



「君がなぜ、今まで生贄として出されなかったか知ってる?」

『え…?』

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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時

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