お父様 ページ27
舞踏会の2日前、お父様が帰ってきた!
『おかえりなさい!』
「ただいま。元気にしていたか?」
『はい!』
「そうかそうか。ほら、これは土産だ」
そう言ってたくさんの荷物をテーブルに出すお父様。遠出すると毎回毎回いろんなものを買ってくる。全く、こんなにいらないって言ってるのに…
苦笑しながらも、お父様が私のために選んでくれたことを嬉しく思っていると、治と中也が入ってきた。
「こんにちは、国王様。隣国の太宰です。」
「これは太宰殿、娘が世話になっているようで。………そして、そちらは…」
『お父様、その子は中也です。ほら、前に手紙で書いたでしょう?海で会った人魚の…』
「!…なるほど君か…!」
当たり前だが、中也はお父様と初めて会う。
最初“誰だコイツ”とでも言いたげな目で見ていたが、お父様に握手をされて打ち解けたようだった。
「人魚だったというのは本当か?」
「おう、Aに会うためにここへ来た」
「そうか……年頃の娘だ。…どうか、仲良くしてやって欲しい」
「…あぁ」
『…?お父様、どうしたの?』
心なしか、お父様の表情に影がさした気がする。少し気になって覗き込むと、いつもの優しいお父様の顔に戻っていた。
「なんでもないよ。さあ、2日後には舞踏会だ。急いで準備しないとな。Aも挨拶を考えておきなさい」
『はい、お父様』
頭を撫でられたあと、お父様は部屋を出ていった。帰ってきてすぐなのに、大変だな…。対外関係はお父様が全てやってくれている。
私も早く相手を決めて、お父様の負担を減らさなくては…。そういえば、今隣にいる治は、婿候補の一人だったっけ。ちらっと治を見ると目があった。優しく微笑まれる。
「ん?」
『え?あっ、いや…あー、ほら!みんなでお土産見よう?え、遠慮しないでっ!』
アハハと下手くそな笑い声でごまかして、お土産を漁る。考えてた内容が内容だったから、急に恥ずかしくなった。
…でも、治は優しいし、かっこいいし、ちょっとスキンシップに困ることもあるけど、頭も良くて頼りになる…。
『(…なくはない、のかも………)』
そう思うと、頬が熱くなっているのを感じる。お土産の包を開く手も、自然に止まっていた。
その時、横で中也が私のことを神妙な面持ちで見ていたのも気付かなかった。
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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時