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凛side







バタンと強めに部屋のドアを閉じる。頭に浮かぶのは、俺の事を「怖い」と言った時の姉ちゃん。

怖い…怖いか。
これまでクラスメートやチームメートにも何度か言われてきた。でも、その時とは言葉の重みが全く違う。姉ちゃんは俺の体全体に衝撃を感じさせた。

やっぱり、俺は姉ちゃんに依存してる。昔はあいつと姉ちゃんに思いが分散していたけど、今は姉ちゃん1人だけ。分散させようがない。言い換えれば、理解してくれる人物は…もう姉ちゃんしかいない。
だからショックだったんだ。「怖い」って言われて、そのまま突き放されるんじゃないかって。姉ちゃんがいなくなったら俺は壊れる。姉ちゃんに限って、そんな事ほぼないと思うけど。…でも、もし万が一離れたら?




「そんな事死んでもさせねぇけど、ないとは言い切れねぇし…」


「いっその事閉じ込めるか?そうすれば俺だけを見てくれる。でも姉ちゃんが喜んでくれるのか分かんねぇ。…いや、さっき『何でもする』って言ってたし大丈夫だよな。それより姉ちゃんはあいつの事も好きって言ってるのが腹立つ。閉じ込めたとしてそれからどうする?もしあいつと連絡とって逃げ出したら意味がねぇ。スマホを破壊しても他に何か連絡手段があったら___」




そんな俺の頭に一つの最高と言えるアイディアがふってきた。




「…姉ちゃんの好きを俺だけに向ければ良くねぇか?」




もちろん簡単な事ではない。でもシンプルなのはこれだ。それならあいつに連絡とる訳ねぇし、そもそも逃げ出そうなんて思う事もない。もし成功したら俺は一生姉ちゃんといられる。二人だけで。




「大きくなったら、俺と結婚してくれる?」

「…そうだなぁ、凛ちゃんがとっても強くてかっこいい男の子になってたら良いよ!」




正直、姉ちゃんの言う「強くてかっこいい」がどんなものなのか分からない。でも、俺はサッカーができる…言い換えれば強い方だし、姉ちゃんの好きのベクトルを俺だけに向けさせれば自然と「かっこいい」と思ってくれるだろう。
血縁者だから結婚はできねぇけど、事実婚って形にすれば問題ねぇよな。

これらを全て完璧に実行するには、二人で住む新たな家や引越し費用などに使う金が必要だ。まずはサッカーで稼いで余裕ができたら二人の生活を始めよう。




「待ってろよ。姉ちゃん」




ほんの一瞬、翠色の彩やかな瞳が黒く濁った。

12-危険と境を接する→←・



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Edisa(プロフ) - 続き見たいです! (4月8日 0時) (レス) @page24 id: 7c18e46756 (このIDを非表示/違反報告)
NONAME(プロフ) - ヤンデレ凛ちゃん最高過ぎる!!更新楽しみに待ってます! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 2ae7d2d5c3 (このIDを非表示/違反報告)
まったり団子 - ヤンデレ!いい!私もヤンデレ系書こうと思ってるので参考にさせてもらえると嬉しいです! (12月1日 20時) (レス) id: f793216af5 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます(●︎´▽︎`●︎) (7月19日 13時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです!!大好きな作品なのでずっと待ってます!!無理しない程度に頑張って下さい! (2023年4月23日 21時) (レス) id: 94c7c88031 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りよ | 作成日時:2023年3月27日 16時

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