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10-容姿端麗が故に ページ18






今更だが、あの糸師兄弟の姉となれば相当の美人なのは、なんとなく想像できるだろう。

だって自分でも思うもん。「え、私美人過ぎじゃね?」って。二人と同じ翠色の惹きつけられる瞳、長く伏せた時に映えるまつげ、高身長故のスタイルの良さ。寝起きですら美人で混乱するのにはもう慣れてしまった。あ、もちろん下まつげも長いよ。


まあ、上げたらキリがない程私は容姿端麗なのだ。そうなれば、必然的にモテる訳で。




「ずっと前から好きでした!付き合ってください!」




私はかなーりモテていた。いや訂正しよう。現在進行形でモテている。こんなセリフを読み上げたかのような平凡な告白には飽きてしまう程に。


腰を折って片手を私に向かって伸ばす目の前の男。顔を赤色に染めながら「一緒に帰ろう」と誘われた時点で察してはいたが、やはり実際に告白されると驚くなぁ。
薄々勘づいているかもしれないが、彼は数ヶ月前に一緒に帰った人物だ。凛ちゃんのヤンデレモードをオンにさせていたのを思い出す。

私は別に付き合っても構わないのだけど、小学生の時から二人のガードがめちゃめちゃ固いのでそんな事は不可能に近かった。だから、申し訳ないけど今回もお断りさせてもらう。付き合ったらこの人の身に危険が及ぶかもしれないし。




「…ありがとう。でもごめんね、私今男の人と付き合うとか考えられなくて」




我ながら上手い嘘だ。謝罪を精いっぱい滲ませ、今までもこれで断ってきたから大丈夫だろう。
そう油断していた私が悪かった。




「Aさん、入学当時から告白してきた男にそう言ってるんだってね」

「…え?」

「もしかしたら男の人に何かされてトラウマになってたりとか…する?」

「……」




否定するのはなんか違う気がする。幼い頃に誘拐されそうになったのが未だに気がかりなのだ。冴ちゃん達には言ってないけど。

思わず黙り込んでいると、それを良い事に彼はどんどん話を進める。




「それなら心配いらないよ。僕ならきっとAさんを幸せにできる!」

「で、でも…」

「だから良いよね?」




これはちょっと面倒なタイプ。思い切り突き放さないと、なかなか引き下がってくれない。

彼は私の手を握り、ぐっと距離を縮めてきた。あー、ヤバ。このままだと上手い具合に丸め込まれてしまう。


さすがに恐怖で身がすくみ始めた時、どこか聞き覚えのある男の人の声が聞こえた。




「なあ、その子怖がってるだろ」

・→←09-影でしてきた努力



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Edisa(プロフ) - 続き見たいです! (4月8日 0時) (レス) @page24 id: 7c18e46756 (このIDを非表示/違反報告)
NONAME(プロフ) - ヤンデレ凛ちゃん最高過ぎる!!更新楽しみに待ってます! (12月5日 20時) (レス) @page23 id: 2ae7d2d5c3 (このIDを非表示/違反報告)
まったり団子 - ヤンデレ!いい!私もヤンデレ系書こうと思ってるので参考にさせてもらえると嬉しいです! (12月1日 20時) (レス) id: f793216af5 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます(●︎´▽︎`●︎) (7月19日 13時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです!!大好きな作品なのでずっと待ってます!!無理しない程度に頑張って下さい! (2023年4月23日 21時) (レス) id: 94c7c88031 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りよ | 作成日時:2023年3月27日 16時

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