転生後の弟が推しだったから愛でたらヤンデレ化した【糸師兄弟】

・ ページ15

･




「さっきはありがと。冴ちゃん」

「別に」




あの後、冴ちゃんの提案で近くの個室があるお店に入った。でも「予約されていた糸師様ですね」って言われてから、多分最初からここに行くつもりだったんだと思う。ちなみに、個室の理由は「俺といるのが撮られたら姉さんに迷惑かかるから」らしい。どこまで姉思いなの冴ちゃん！！


てか、今はないけど原作では凛ちゃんと決別する時目の下にクマあったよね？初見の時から「疲れてんだろうな〜」とは思ってたけど、なんか今も疲れてる感じじゃない？大丈夫か最推し。




「冴ちゃん、もしかして疲れてる？」

「……そんな事ねぇよ」




嘘つけ！その間の置き方的に絶対疲れてるやつじゃん！！そんなんなら、わざわざ外出せずにゆっくり休んでくれた方が姉さん嬉しいのに。




「もしかして、凛ちゃんと何かあっ＿＿＿」

「凛の名前出すんじゃねぇ」




いっきに個室内の空気が下がるのが分かる。凍るような目つきで私を見る冴ちゃん。
やらかした。いくらなんでも首突っ込み過ぎたよね。思い切ってストレートに聞いたら、何か聞き出せると思ったんだけど度が過ぎたっぽい。

「氷点下まで冷えきったのでは」と思ってしまう程冷たい個室内。謝る為に口を開こうとすると、先に話し出したのは冴ちゃんだった。




「なぁ」

「！」

「凛から俺とあった事については聞いてるんだろ？」




嘘をついても何にもならない。元々隠すつもりはなかったし。そう考えながら、俯いたまま無言で頷く。




「俺の事、嫌いになったか」

「そんな訳ない！冴ちゃんは、私の大事な弟だよ…！」




冴ちゃんの偏りかけている考えを直すように否定する。しかし、私の言葉が聞こえていないのだろうか。冴ちゃんは、ため息をついた後息をつく間もないくらい早く話し始めた。




「俺の事薄情だと思ったよな」

「だけど、今はそんな事どうでも良い」

「姉さんが、俺を突き放さなければそれで良いんだ」

「姉さんは俺の事分かってくれるだろ？」

・→←08-甘美な午後7時

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す