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♯3 ページ9

ましてや、坂田さんは他人だ。赤の他人。
縁もゆかりもない人に、そんな迷惑をかけるわけにもいかない。

ぐるりぐるり、思考が交錯する。









「ーーーあんまくだらねー心配してんじゃねェよ」

「へ?」

「その男がそういってんだ。一応、何でも
引き受ける万事屋ってのやってるらしいしな?
…依頼料は出世払いでいいだろ。…まあ、
どうしようもねェ甲斐性なしだが……あんたが
餓え死ぬことはねェだろうよ。ーーどうだ?」




複雑な私の考えを遮るように、紫煙が舞った。
ーーそれを見ると、少し落ち着いた気がした







「……坂田さん」

「あ?」



「ーーーお願いします」

「…最初からそういいやがれ、」





こうして、元の時代にもどるまでの間
厄介になる寝床が決まった。




「取り調べは終まいだ。とっとと帰れ」



土方さんが席を立つ。それにつられ、私も腰を
上げたのだが、「あ、そういえば、」と。
出て行く彼を引き止めた。






「…あの、ずっと気になってたんですが、
ここの組織名、何て読むんですか?」




「…ーー"しんせんぐみ"」


「しんせんぐみ!?」




彼の口から紡がれたそれは、ひどく聞き覚えの
ある言葉だった。ーーなんせ、歴史オタクの
友達から、ことごとく聞かされていたから。


でも、しんせんぐみって確か、




(ーー"新撰組"じゃ…?)





江戸という時代だ。もちろん、新撰組も
活躍しているだろう。ーーなら、"土方"とは
あの土方歳三のことか。









「…どうかしたか」

「え、あ、いえ!何でも!」



わけのわからない疑問が頭を回る。

だがしかし、それは私の世界の都合。
こっちの世界に問いかけても解決など出来そうもなかった。






「ーーー…俺たちも帰ェるぞ、A」

「あ、はい!よろしくお願いします」




ひとまず今は、こうして世話をしてくれる場が
見つかったことに、最大限の感謝をしよう

安心できた→←♯2



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シュシュ(プロフ) - ライラックさん» ありがとうございます!精一杯がんばります! (2014年12月27日 19時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ライラックさん» そうなんですか!?…あ、もしかしたら私もかもっ…。でもとりあえずおめでとうごさいます!ということで。笑 (2014年12月27日 9時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - この小説面白いです!!更新頑張ってください! (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - 銀魂アニメ再開嬉しいです!!私の地域で見れないけど多分… (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 恋狂さん» 私も母にビックニュース!!って叫びながら報告しました!笑 スポンサーについてくださった勇気のある人たちに感謝です (2014年12月26日 15時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:   
作成日時:2014年12月16日 22時

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