【銀魂ﾄﾘｯﾌﾟ】恋動の幕末

♯3 ページ40

「午後8時35分、作戦完了！！」





隊士さんの言葉が響く





パトカーの中で待機を、といわれ
今はおとなしくそうしているわけだ。





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「…はぁー…」





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"ーーー好きです"

……なんて。





雰囲気任せの告白に身を投じる前に
タイミングがいいのか悪いのか、…土方さんは
仕事人の顔になってしまった





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「…如月」

「あ、はい」





そこでようやく後片付けが終わったのか
土方さんだけがこちらに顔を覗かせた





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「待たせちまったな。…悪ィがまだしばらく
パトカーが動かせねェ。

……これ以上遅くなっちまってもあれだから」



歩きで送ってく、とのこと。





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「わかりました、」






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暖房の効いたパトカーから外へふみだせば
冷たい風が吹き付ける





.





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「…よし、いくか」
「土方さん」




「…ど、どうした」





割と強めによんだ名前に、
振り向いてくれた土方さん







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「ーーーー私、あなたが好きです」





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ーーーー好きなんですよ、土方さん。





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地面に音もなく落ちた、短くなったタバコ

一瞬、目を見開いたようなその人は、…次は
眉をひそめた






.






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「………帰ェるぞ、」






ポツリと投げかけられた言葉





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「…はい」





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この人は優しいから
…私が傷つかない言葉を必死で考えてくれたのだ




返事の意味は、…ちゃんとわかる







.








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ーーーーーーーーー

「送ってくれてありがとうございました」


「…いや、こっちも捜査協力感謝する」





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大きな背中をこちらにむけた土方さんは
こっちを振り返ることなく




.






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「………すまねェな」





そう一言、残したのだ





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理由も告げないのは、言い訳になるから。



潔いその姿勢に、きっと惚れたのだ







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「ーーーー…いいえ」






寒空の下に消えるそのひとを見送った

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