トリップ ページ3
「ーーーえ、」
何これ、とつぶやいた。
ひゅるりと吹き抜ける風は、いつも私の髪を
なびかせるものとは違っていて。
.
.
「どこですかね、ここは」
目の前に広がる光景にも、見覚えがない。
気づいたときには、見知らぬ土地で
倒れこんでいた。意味もない首振りを繰り返すうち、だんだんと周辺の状況が読み取れてきた
ーーー私の後ろにある大きな鳥居以外、
そこまで特徴のない田舎、って感じで。
カーカー、とカラスが鳴き交う時分、
おそらく夕暮れ時だろう。
.
「ーーーえ、これ、ちょ…ま……えっ?」
よく考えてみようよこれは。
気づいたら見知らぬ土地って、ーー何それ。
どこのSF映画。
落ち着いて考えてみる。・・あぁそうだ。
昨日、友達と別れた後の記憶がない。一体
何があって私はここに。
そこからは、いくら考えても答えが出そうに
なかった。
.
「…まさか夢遊病」
いやいやいやいやそれはないでしょ。さすがに
よく酔っ払ったりはするけどもね、
それはない。昨日は大学行ったし。
これまでそんなことなかったし。
.
.
「ーーーおねーさん、何してんの?
こんな道の真ん中で」
「あっ」
自問自答というか、ほぼ自問否定している私に
うしろからかけられた声。まさか妖怪的な何か
だったり。恐る恐る振り返れば、ーーよかった
人間だ。
.
「………あれ、」
「こんなとこでどーしたの?」
「あ、もしかして遊びぐち探してるとか?」
「あの……時代劇の撮影か何かですか」
「「はあ?」」
だってそうでしょ。
テレビでよく見る、…所謂まげというものを
頭に引っさげたおっちゃんが二人。
着用しているのは、浴衣・・かな。
「おねーさんさ、こんなとこでいたら
攫われちゃうよ?こわーいおじさんに」
「そーそ。ここらは最近、人さらいも
多いって話だし」
「そうですか。…それはご親切にどーも」
ところでここはどこですか、と聞く前に。
夕暮れをバックに口角を上げたおじさんたちは
私の方へと距離を詰めて。
.
「俺たちみたいな、
……こわーいおじさんもいるんだから」
「ーーーーッ」
.
口にあてがわれた白い布
ーーー……そこで、ぷつりと意識は途切れた
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シュシュ(プロフ) - ライラックさん» ありがとうございます!精一杯がんばります! (2014年12月27日 19時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ライラックさん» そうなんですか!?…あ、もしかしたら私もかもっ…。でもとりあえずおめでとうごさいます!ということで。笑 (2014年12月27日 9時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - この小説面白いです!!更新頑張ってください! (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - 銀魂アニメ再開嬉しいです!!私の地域で見れないけど多分… (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 恋狂さん» 私も母にビックニュース!!って叫びながら報告しました!笑 スポンサーについてくださった勇気のある人たちに感謝です (2014年12月26日 15時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年12月16日 22時