事件 ページ18
「……この鳥居、初めてみた気がしないのは
なんでなのかな」
味気ないビニール傘の間から見える大粒の雨。
ーーー目の前には、無駄に大きなその鳥居
私が始めてこの世界で目覚めた場所。
なぜだか、やけに気になってしかたない。
……今日こそ、登って確かめてみよう。
そんな思いで、1人でやって来た。
坂田さんはどうせ登りたがらないから。
.
「あの向こうには、何が…」
私がこちらの世界に来てしばらくたつ。
トリップとかタイムスリップとか
そんなことについて散々調べたけど。
……でてきたのは結局
ドラ○もんやらドラ○もんやらドラ○もん
ーーーつまりは収穫ゼロ
.
「はぁー……」
元に戻りたい、と思う気持ちは
正直、以前より薄れてしまった。
……それだけこの世界の居心地がいいのだ。
財政やら税金やら、そんな大人のグロテスクな
事情であーだこーだ争ってる私たちの
元の世界より、この世界のほうが
みんなイキイキと生活しているのだ。
……まあこれも、昔の活気ってやつだろうけど
.
(ーー…でも、おかしいよね)
これまで過ごしてわかったのは
…この世界は、江戸であるのは間違いなし。
……けれども、私達が教科書でならう
江戸とはまた違う。
"真選組"の漢字や、隊士さんたちの名前から
始まり、天人とよばれる宇宙人が街をうろつき
江戸時代にはありえない電子機器も存在する。
…土方さんは、結局"歳三"ではなく、"十四郎"
だったらしいし。
.
(つまりはタイムスリップではなく、
…別世界へのトリップ)
と、いう結論にたどり着いた
「……んー…」
そうこう考えているうち、雨がひどくなった。
傘を差していても肩が濡れてしまうくらいの
土砂降りは、ザーザーと大きな音を奏で、
私の上で跳ね躍る。
遠くの空では、ピカリと黄色い線が走っている
「…登れないな」
階段はすべりやすくなってる。
なれない着物で登るなんて無理だ。
「……帰ろ」
その一歩を踏み出したそのとき
.
「ーー…ねーちゃん…ちょいと一緒に
来てもらおうか」
番傘の下から見えるつり上がった口角。
あとずさる私の行く手を、黒ずくめの男が塞ぐ
デジャヴな状況に冷や汗を流しつつ、
駆け出そうとした私は___、
.
「ーーー……かはっ…」
…次の瞬間、お腹に感じた圧迫感とともに
意識を手放した
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シュシュ(プロフ) - ライラックさん» ありがとうございます!精一杯がんばります! (2014年12月27日 19時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ライラックさん» そうなんですか!?…あ、もしかしたら私もかもっ…。でもとりあえずおめでとうごさいます!ということで。笑 (2014年12月27日 9時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - この小説面白いです!!更新頑張ってください! (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - 銀魂アニメ再開嬉しいです!!私の地域で見れないけど多分… (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 恋狂さん» 私も母にビックニュース!!って叫びながら報告しました!笑 スポンサーについてくださった勇気のある人たちに感謝です (2014年12月26日 15時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年12月16日 22時