惚れた腫れた ページ17
「……なあ、A」
「はい?」
ある日の午後。新八君と共に万事屋の掃除を
している最中、ぽつりと呟いた坂田さんに
雑巾を握る手を止める。
「お前さ、あれ」
「あれ?」
「………土方君に惚れちゃった?」
雑巾が私の手元から滑り落ちた。鼻を深堀り
する坂田さんをみやり、「はい!?」と。
…何言っちゃってんのこの人
「ーーえ、マジデカ!」
「神楽ちゃんおきてたんですか?」
ソファで酢昆布の山に埋れていたその子も
体を起こして私にキラキラの目を向ける。
期待されても困るのだけれど、それより、
ーーー土方さんのことが好き?私が?
「…そんなわけ、ないじゃないですか」
「いや!!…確かに怪しいネ」
酸っぱい匂いを漂わせながら、神楽ちゃんは
ニヤニヤと黒い笑みを顔一面に張り詰める。
その目は、さながら取り調べをする刑事のよう
…土方さんは、お優しくて素敵なひとだ。
極度のマヨラーであり、カツ丼をもはや
カツ丼ではない物質にかえてしまうという
欠点らしきところもあるが、それを含めても…
ーーって!…何考えてんだ私。
.
「…でもそういえばAさん、この前送って
もらった時も、土方さんといるとき
楽しそうでしたしね」
「……断じてそんな覚えありませんね」
しまいには新八君まで参加してきた。
見方がいなくなり、目が泳ぎまくる自分を
自覚しながらも、抑えることができない。
.
「…んで、どーなの」
「どうなのも何も…会ったばかりですよ」
「好きになるのに期間も何も関係ねーだろ」
「坂田さんがいうと説得力が……あ、
なんでもないです本当。」
「……お前案外毒舌なのな」
未だギャーギャーと勝手に話を進める
3人に苦笑。落とした雑巾を拾い上げた手元を
意味もなくぼんやり眺める。
(ーー土方さん、か)
たしかに、いい人……なんだよな。
124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シュシュ(プロフ) - ライラックさん» ありがとうございます!精一杯がんばります! (2014年12月27日 19時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - ライラックさん» そうなんですか!?…あ、もしかしたら私もかもっ…。でもとりあえずおめでとうごさいます!ということで。笑 (2014年12月27日 9時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - この小説面白いです!!更新頑張ってください! (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
ライラック(プロフ) - 銀魂アニメ再開嬉しいです!!私の地域で見れないけど多分… (2014年12月27日 9時) (レス) id: 15e1b5e5df (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ(プロフ) - 恋狂さん» 私も母にビックニュース!!って叫びながら報告しました!笑 スポンサーについてくださった勇気のある人たちに感謝です (2014年12月26日 15時) (レス) id: 3d9f014fa5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シュシュ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年12月16日 22時