【銀魂ﾄﾘｯﾌﾟ】恋動の幕末

♯2 ページ13

「マヨリンマヨネーズがお勧めだ」

「はあ…」





……楽しそう、というか。私的にはもはや
苦笑しか守れないんだけどもね。


前に会った時は、鋭い眼光やら荒い言葉遣いやらに押されて、怖かったけど。






「ーーー最近さらに美味くなっている。
改良を重ねたんだろうな」

「そ、そうですか」




心底楽しげに喋る土方さんを邪魔する気にも
なれず。…てか最近って。マヨリンの昔を
知らんよ私は。






「…というか、味の違いがわかるんですか」

「あ？なにいってんだ、当たり前だろ
変な奴だな」

「そ、そうなんですか」



ーーーあれ、変な奴って

…マヨネーズ片手に延々と魅力を語る
あなたを言うのでは？…とは言えなかった


ーーーまあとにかく、その調味料のコーナーで
無事醤油も見つかったし、よしとしようか。


未だ語り続けるその人に、愛想笑いを返しつつ
私はこの後買うものをもう一度整理し始めた。






．






ーーーーーーー
ーーー



「重たっ…」



やっとのことで買い終えた何日か分の食材を
つめこんだレジ袋は、かなりの重量だ。

万事屋の、酢こんぶとイチゴ牛乳しか
入っていない、生活感のない冷蔵庫に絶叫して
買い出しにきたものだから、こんな量になって
しまったわけだが。


…ってかぶっちゃけ、醤油と、土方さんに
無理やり放り込まれたマヨが重い


唸りを上げながら店を出れば、「ありがとうございましたー」なんてのんきな店員の声が響く

これ、家まで下げて歩くのかとため息をついた
私は、…ふいに、体が軽くなり。






「……ったく、何してんだテメェは。
貸しやがれ」


「え、あっ…」





ぶんどられた、二つのうち重い方のレジ袋

軽々と手にぶら下げて前を歩いて行く
その人を、少しの間呆然と見ていた


数メートル先でこちらを振り返り、
眉をしかめるその人がみえて。








「ーーー…早くしろ。トロトロすんな」





そんな声が、風にのって聞こえてきた。

思ってもみなかった行動に、困惑する。
一体全体どういうつもりだろうか。





「…でも、屯所は逆方向ですよ」



その人が歩く方向と逆を指差せば
はあー、と大きくため息を吐かれてしまい。








「あほか。…送ってくっつってんだよ」

「だめですよっ、そんな迷惑かけられません」






ぶんぶんと首を振る私を一瞥して
土方さんは再び大きくため息をついた

♯3→←顔見知り程度の知人にプライベートで会うと気まずい

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