ヒロイン-44- ページ46
.
「ねぇねぇ!Aちゃんって彼氏いたの!?」
不意に及川サンが聞いてきた。
俺はその言葉には?となった。
「なんでー!?」
及川サンはわーわー言いながら何処かにいってしまった。どうせ、言いふらしに行くんだろう。
俺は携帯を取りだし兄貴に電話をかける。
『はーい。どうたん、捺』
「あ、兄貴?あのさ、Aに彼氏っているわけ?」
『おー、いるぞー。誰から聞いた?』
「なんか、先輩が」
『あんまり言うなよ?アイツあの人の話題になると...あ、わりぃ。キャッチ入った』
そう言って兄貴は電話を切った。
いや、変なとこで切るなよ。
俺は携帯をしまい、及川サンの所まで走った。
「だっかっらっ、その人の話はやめろって!」
自動販売機の所でAとその友達が取っ組み合いをしていて、その周りにはこそこそと及川サンたちがいた。
うわー。悪趣味ー。
「いい加減にしろって、写真とかないけどググったらでてくる人だから」
「え!?まじで!?有名なの!?」
「ああ、有名だよ!朝比奈玲って知ってるだろ!」
「キャアア!マジで!?あの!?なんかいろいろ服作ったりして、モデルもしてる!?」
「そうだよ!その人!家庭教師してくれるかわりに彼女のフリをしろって言われたの!」
なるほど、兄貴がこの話題を振るなっていった理由が分かる気がした。
.
44人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雛月 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年12月27日 23時