生徒会との恋愛事情

じゅーいち。　初兎編 ページ21

３人でシェアハウスを出て、
早歩きで学校へと向かう。

昨日…、いむくんが「明日早起きしよっ！」
って言ったときはほんまビビったわ…。

朝が苦手な子供組のなかでも、起きるのに
１番手が掛かるのはいむくん。

それなのに、自分からそんなこと言うとは。
正直、病気じゃないかと本気で思った。

まぁ、理由は分かるけど…。

恐らく、っていうかほぼ確定で、
早起きしようなんて言ったのは、早く
Aに会いたいから、だと思う。

逆にそれ以外の理由が思いつかない。

でも…僕もなぜかは分からないけど
Aに早く会いたい、と思っていた。

いむくんと同じ理論でいくなら、
僕もAのことが好きってことになる。

そうなんかな…？
僕、Aのこと好きなん…？

自問自答するも、答えはわからない。
１つだけ言えるのは、確実に、
他の女子よりは圧倒的に好感は持てる。

やけど、恋愛面で好きとは…ちゃうような…
いやでも合ってるような気もすんねんな…。
分からん…。

どれだけ考えても一向に答えが出ない
気持ちに、考えるのをやめた。

その後、３人で話しながら、
通学路を歩き、ようやく学校についた。

上靴に履き替え、教室へ行く。
そして、教室に入った途端に視界に
映る光景に、思わず舌打ちが鳴った。

僕ですら名前も知らない男が、
Aに話しかけていた。
それも、ニヤニヤとした表情で。

下心の塊やん。

横目でちらっといむくんを見ると
笑顔を浮かべていた。不自然すぎる
その笑顔が今は逆に怖い。
りうちゃんを見れば、表情が消えていた。
僕も、それなりにヤバい顔になってると思う。

僕らが近付いてることに気付いてない
Aの後ろに３人で立ち、
その下心男を睨みつけた。
それだけなのに、その男は顔を青くし、
さっさと逃げていった。

え、弱すぎやろ。
この程度でひるまんくない？普通。

男のメンタルの弱さにぼけっと
突っ立っていると、Aが振り向いた。

…ｯ｡ 昨日より、可愛くなっとらん…？

いや、そう見えるだけか。
登校中、散々悩んでいた答えが、
今ようやく見つかった。

僕は…僕は、Aのことが
好きなんやって。
そうやなかったら…今こんな心臓の鼓動
速くなっとらん。

Aにも聞こえそうな心音。
ずっとバクバクしてる。

そんなときにAが『おはよう』なんて
言うものだから、僕たち３人早口に
なったせいで、３人で声が揃った。

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