子供達は「悪戯」がお好き ページ46
静まり返ったカルデアの一室。
ベッドの上で無防備に眠っている男もまた、カルデアに送られてきた候補生の一人であった。
「…………。……、…?」
「………。……、…」
「(……何だ?声が……。
夢でも見てるのか…?)」
微かに香るお菓子のような甘い匂い。
しかし、こんな時間にそんな匂いがする筈も無い為、恐らくこれは夢なのだろう。
そう決めつけて、男は目を閉じたまま再び意識を落とそうとする。
「……じゃ…」
「……ね…………は?」
「………と………して…」
「せ……、……」
「___っ!!?」
それは咄嗟の判断だった。
何となく、「今動かなければいけない」気がして身体を動かした。
直後、ドスッ!!と何かが枕を貫く音が聞こえる。
「ッテェ…!」
勢い余ってベッドから転げ落ちる事になったが、男はそれどころではなかった。
あの瞬間、自分に向けられていたソレは「殺気」だ。
さっきまで何の気配も無かったというのに、ソレは急に襲ってきた。
「っ、誰だ!?」
??「あーあ、起きちゃった。」
??「後少しだったのに……失敗しちゃったわ。」
慌てて立ち上がり、先程まで自分がいたベッドに目を向ければ、枕を突き刺したのであろう白い髪の少女がおり、その斜め後ろには小さな人形を持った金髪の少女が立っていた。
??「絶対いけると思ったのになぁ。」
??「でも、あの人を刺す直前に物凄い殺気が出ていたわ。
きっとそれで起きてしまったのね。」
??「へー。あの人にもそういうのが分かるんだ。
お母さんはあんまり気付かないのに。」
「い、一体何処から入ってきたんだ!?
ロックはちゃんとしてあった筈…!」
人を殺そうとしていたくせに、まるで親しい友人と雑談をするような明るさで会話をしている子供二人に、男は恐怖を隠せずにいた。
??「貴方の言う通り、確かに部屋にはロックがかかっていたわ。
それで困っていたら、「偶然」通り掛かった蝶のおじ様が開けてくださったのよ。」
「!!?そんな、番号は誰も知らせていないのに…!」
いつ、どこで、どうやって、そもそも誰が?
いろんな疑問が押し寄せてきて男は軽くパニック状態になり、冷静な判断も出来なくなっていた。
??「ねぇ、あまり時間をかけていたら他の人に気付かれちゃうんじゃないかしら?」
??「それもそうだね。
早く殺して、お母さんの所に行こう。」
「ま、待て!待ってくれ!何で俺が殺されなくちゃならないんだ!」
??「だって、貴方は悪い魔法使いなんだもの。」
.
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こし餡の信者 - わんさん» 勿論ありますよ! (2020年4月21日 15時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
わん - これは参がある感じですか? (2020年4月21日 2時) (レス) id: 8dc334f6e1 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レインさん» 返信が遅くなり大変申し訳ありません!一気読みしていただけて嬉しいです^^ 中々更新が出来ずにいますが、完結はさせるのでお待ちいただければ幸いです! (2020年4月9日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 最近一気読みしたものです。コロナウイルスなどで大変だとは思いますが、更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月2日 22時) (レス) id: d7281daec0 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レイさん» ありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます!更新もボチボチ頑張らせていただきますね! (2019年12月4日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
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