暖かいココア ページ5
立香「作ってくれたの?」
オベロン「あんまり顔色も良くない様だったから、水とかよりはこっちの方が良いんじゃないかと思ってね。
……もしかして、ココアは苦手かい?」
立香「ううん、そんな事ないよ。」
オベロン「おぉ、それは良かった。」
嬉しそうにはにかんだオベロンも俺のと同じようにココアを作り、それを口に含む。
それにつられるようにして俺もココアを飲むと、じんわりと暖まるような感覚が広がった。
立香「……美味しい。」
オベロン「ふふ、口に合った様で何よりだ。」
立香「オベロンってココア作るの上手いね。
誰かに教わったの?」
オベロン「うん、首の無い騎士君から美味しいココアの分量を教えてもらったんだ。」
立香「ヘシアンから?」
そう言えば、彼はあの二人とも仲が良かった(?)気がする。
人間を憎んでいるというロボも初めこそ彼を警戒していたが、今では唸る事も噛み付く事も無く、それどころか自分から近寄るくらいだ。
(ちなみに、俺も同じような状況下である。)
立香「でも意外だよね。ヘシアンはともかく、ロボはあんまり他のサーヴァントには近付こうとしないから。」
オベロン「でもほら。僕は人では無いし、どちらかというとナーサリー・ライムのような存在だからね。」
立香「うーん…?」
オベロン「……それに、彼にはきっと分かるんじゃないかな。
僕を形作るモノの中にある【怨み】や【憎しみ】、【憎悪】の念が。」
立香「え?」
俺が理解出来ないでいると、オベロンはクスクスと笑いながら口を開く。
オベロン「【願い】と言っても、その形はそれぞれだろう?
『あの人と幸せになりたい』。
『お金持ちになりたい』。
『空を飛んでみたい』。
『世界が平和になってほしい』、とかね。」
立香「うん。」
オベロン「だから勿論『彼奴が死んでしまえばいい』だとか、『不幸になってしまえ』、『壊れてしまえ』っていうのも願いの内に入るわけだ。」
立香「何だかアヴェンジャーみたいだね。
……じゃあ、オベロンもそう思う時があるの?」
すると、オベロンは少しだけ考えるような仕草をした後に首を横に振ってみせた。
オベロン「いや、そういうモノが混ざっているとはいえ僕はそれを望んでいないし、望むつもりも無いよ。
前も言ったけど、僕は人間(君達)が好きだからね。」
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こし餡の信者 - わんさん» 勿論ありますよ! (2020年4月21日 15時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
わん - これは参がある感じですか? (2020年4月21日 2時) (レス) id: 8dc334f6e1 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レインさん» 返信が遅くなり大変申し訳ありません!一気読みしていただけて嬉しいです^^ 中々更新が出来ずにいますが、完結はさせるのでお待ちいただければ幸いです! (2020年4月9日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 最近一気読みしたものです。コロナウイルスなどで大変だとは思いますが、更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月2日 22時) (レス) id: d7281daec0 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レイさん» ありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます!更新もボチボチ頑張らせていただきますね! (2019年12月4日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
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