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冷たい忠告 ページ33











ヘシアン達を見送った後、オベロンは肩の力を抜くように息を吐く。
まるで何事も無かったかのように後ろを振り向き、立香達の安否を確認した。


オベロン「大丈夫だったかい?」

立香「俺達は平気だけど、オベロンの腕が…」


鋭く巨大な牙に貫かれた腕からは鮮血が滴り落ちている。
心配で顔を青くしている立香を落ち着かせるように、オベロンはもう片方の腕を伸ばして頭をポンポンと撫でた。

「とりあえず手当てしないと」と焦る立香の後ろでは、先程立香に庇われた候補生が恨めしそうに彼を見ていた。


「くそ、くそ……お前が……お前が邪魔しなければ、屈服させる事が出来たかもしれないのに…」


応急処置の魔術を必死でかけているせいか、立香にその言葉は聞こえていなかった。
勿論、オベロンと「彼」は完全に聞き取っていたわけだが。





ロマニ「あまり、僕らの立香君を君の勝手な行動に巻き込まないでくれるかい?」

「っーー!!?」





後ろから聞こえた声により、候補生の身体から温度が失われていく。
物腰は柔らかいのに、発せられた声には全くもって温度を感じられない。


「ヒュッ……ッ、……!?」


候補生は声を出そうとしたが、魔術が発動しているのか一言も話せない。
いよいよ恐怖心に耐えられなくなりそうになったその時、立香がパッと後ろを振り向いた。


立香「あれ、ドクター?どうしたの?」


その瞬間、ロマニはすぐに雰囲気を変えて笑みを浮かべる。
それに気付いていたオベロンは切り替えの早さに驚いていたが、緑の瞳に制されたので口を閉ざした。


ロマニ「それは此方のセリフだよ!?
立香君の焦った声が聞こえてきたからどうしたのかなって思って、いざ来てみたら彼が青ざめているじゃないか!
オベロンだって怪我をしてるみたいだし!

一体何があったんだ!?」

立香「えっと……」

オベロン「ただマスターが無茶をして怪我をしそうになっただけだよ。」

立香「!!!?」

ロマニ「……りーつーかーくーんー…?」

立香「オベロオォォォォン!!!」


お説教から逃げようとする立香とそれを追い掛けるロマニを横目に、オベロンは候補生に近寄る。

しかし、目が合った瞬間に候補生は怯えるように去ってしまった。


オベロン「おや……逃げられてしまったな。」


さして気にする様子も無く、オベロンは鬼ごっこを開始した二人を追い掛けるように歩き出した。

その頃、過労死王は溜め息をついていた→←その狼に触れてはならない



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こし餡の信者 - わんさん» 勿論ありますよ! (2020年4月21日 15時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
わん - これは参がある感じですか? (2020年4月21日 2時) (レス) id: 8dc334f6e1 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レインさん» 返信が遅くなり大変申し訳ありません!一気読みしていただけて嬉しいです^^ 中々更新が出来ずにいますが、完結はさせるのでお待ちいただければ幸いです! (2020年4月9日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 最近一気読みしたものです。コロナウイルスなどで大変だとは思いますが、更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月2日 22時) (レス) id: d7281daec0 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レイさん» ありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます!更新もボチボチ頑張らせていただきますね! (2019年12月4日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こし餡の信者 | 作者ホームページ:ないっす  
作成日時:2019年7月14日 0時

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