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既に修羅場 ページ29

盛大にフラグを立てたオベロンが辿り着いた先は食堂だった。

マスターである立香以外に、サーヴァントの気配も感じるので、恐らく候補生達との顔合わせを行っている最中なのだろう。


オベロン「………………」


オベロンは目的の人物を見つけて食堂に入るも、そこには既に殺伐とした空気が流れていた。
心做しか空気は冷え、最早隠す意思すらも感じられない程の殺気と魔力。

何事かと視線をずらせば、腰を抜かして顔を青くしている候補生らしき男と、その男に容赦なく殺気を向けるサーヴァント達がいた。
他にも見慣れない顔の男女が二、三人いたので、彼等もまた送られてきた候補生なのだろう。


オベロン「(これは……来て早々にやらかしちゃったパターンかな。)」









立香「ちょっ……皆落ち着いて!
そんなに睨んだら駄目だって!」


立香が慌てて候補生を庇い英霊達を宥めようとするも、彼等の殺気は全くと言って良いほどに緩まない。

本来ならば些細なことで一々殺気を飛ばすほど、彼等は器が小さいわけではない。
しかし、立香が絡むとなると話は別だ。
どのサーヴァントとも絆を深めている立香は、英霊達にとってかけがえのない存在であり、それ故に彼を傷付けたり侮辱することは何者にも許されないのだ。


ダ・ヴィンチ「まぁまぁ。立香君の言う通り、君達も一旦落ち着きたまえ。
気持ちは分かるけど、ここで事を荒立てても仕方無い。」


そこに冷静なダ・ヴィンチ女史の言葉が入り、英霊達は渋々殺気を収めた。
思うことは多々あれど、彼女の言うことも事実だったからだ。

立香も安堵したような表情を浮かべると、腰を抜かしていた候補生に「怖がらせてごめんね。」と謝りながら手をさしのべる。


候補生「ッ……」

立香「あっ…」


候補生は何処か悔しそうにしながらマスターの手を無視して無言で立ち上がった。
それにより再び何人かの視線が鋭くなったものの、立香に「駄目だからね。」と先手を打たれてしまったので大人しくするしかなかった。


ダ・ヴィンチ「さて、とりあえず次に君達が一時的に仮契約をするサーヴァントについての話をしよう。」








そうして話が進んでいく中、この何処か張り詰めた空気が緩む事は一度も無かった。

よりにもよって→←風の独り言



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こし餡の信者 - わんさん» 勿論ありますよ! (2020年4月21日 15時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
わん - これは参がある感じですか? (2020年4月21日 2時) (レス) id: 8dc334f6e1 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レインさん» 返信が遅くなり大変申し訳ありません!一気読みしていただけて嬉しいです^^ 中々更新が出来ずにいますが、完結はさせるのでお待ちいただければ幸いです! (2020年4月9日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 最近一気読みしたものです。コロナウイルスなどで大変だとは思いますが、更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月2日 22時) (レス) id: d7281daec0 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レイさん» ありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます!更新もボチボチ頑張らせていただきますね! (2019年12月4日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こし餡の信者 | 作者ホームページ:ないっす  
作成日時:2019年7月14日 0時

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