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ゆっくりしておいで ページ12

オベロンの後ろから顔を出した彼を見て、これは夢なんじゃないかと疑った。
彼を喪ったショックのせいで、俺はこんな夢を見ているのではないかと。

すると、それを見透かしたようにオベロンは薄く微笑む。


オベロン「ふふ、これは夢じゃないよ。
彼は此処に…カルデアに存在している。
記憶だってあるし、頑張れば姿も………あぁ、でもそれは流石に無理か。」


まぁともかく、彼はれっきとしたソロモン王ことロマニ・アーキマンだから安心しておくれ。

オベロンはそう言って笑った。
一方、俺はこれが現実なんだと認識した途端に泣きそうになっていた。

でも、当然だ。
消えてしまったと思っていた人物が、今こうして目の前にいるのだから。
人里修復の旅の最中、疲労や恐怖で精神面が不安定になった時、いつだって彼は俺を安心させてくれた。


ロマニ「えっ、り、立香君!?」

立香「っ……」

マシュ「先輩……」


ボロボロとこぼれ出した涙は止まる事を知らず、俺の頬を濡らしていく。
すると、さっきまで思わぬ状況に呆気に取られていた皆が、一斉にドクターに殺気を向けた。


オジマン「ほう……?貴様、余のマスターを泣かせるとは、余程その首が惜しくないらしい。」

クー(術)「坊主にあんだけ深いダメージ負わせといて、おまけに泣かせるたぁね。
いっぺん痛い目見とくか?ん?」

ジャック「お母さんを泣かせたの?
じゃあ解体しても良い?」

清姫「ますたぁを泣かせるだなんて…!
万死です、今すぐに燃やしますね。」

ロマニ「うっ……薄々予想はしてたけど、流石の僕でも泣きそうだぞぅ…」


情けない声で顔を青くしたロマニは咄嗟にオベロンの後ろに隠れる。


ロマニ「元々言い出したのは君なんだから、何とかしてくれ!」

オベロン「ふむ……まぁそれもそうか。
いくら魔術王でも、大勢のサーヴァントに攻撃されたらひとたまりも無いからね。」


オベロンはロマニを引き連れ、涙を流している立香の腕をそっと引いた。


立香「ぇ……オベ、ロン…?」

オベロン「今は、二人でゆっくりと話してくると良い。
言いたい事もあるだろうしね。

……。」


立香が小さく頷くのを見届け、オベロンはクルッとマシュを振り返る。
マシュはその意味を理解すると、小さく首を横に振った。


オベロン「………さて、それじゃあ二人で話をしておいで。」


オベロンは柔らかく微笑むと、戸惑うロマニと立香の背中を優しく押して食堂から追い出した。

受け止めてくれる人→←有り得なかった再会



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こし餡の信者 - わんさん» 勿論ありますよ! (2020年4月21日 15時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
わん - これは参がある感じですか? (2020年4月21日 2時) (レス) id: 8dc334f6e1 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レインさん» 返信が遅くなり大変申し訳ありません!一気読みしていただけて嬉しいです^^ 中々更新が出来ずにいますが、完結はさせるのでお待ちいただければ幸いです! (2020年4月9日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 最近一気読みしたものです。コロナウイルスなどで大変だとは思いますが、更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月2日 22時) (レス) id: d7281daec0 (このIDを非表示/違反報告)
こし餡の信者 - レイさん» ありがとうございます!そう言っていただけると作者冥利に尽きます!更新もボチボチ頑張らせていただきますね! (2019年12月4日 23時) (レス) id: bfa5138b88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こし餡の信者 | 作者ホームページ:ないっす  
作成日時:2019年7月14日 0時

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