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溺れる果実 ページ1
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春は、怠惰感と嫌悪感に蝕まれる。
今日だってもう暖かい筈なのに、電気ストーブを持ち出してリビングのカーペットに寝転がる。
プラスチックに包まれた滑らかなラクトアイスは、電気ストーブの熱と私の体温で液体になっていき、ついには無くなった。
決定的な理由はない。
だけど、何かが不満で、何かが不安で、何かが怖くて、何かがダメな気がして、そうすると何もかもダメな気がして、延々と負のループに陥る。
「おさむ……仕事か……」
口が寂しいのか、はたまたイライラしているのか。
噛みグセなんて無いくせに、訳もなくただ口に残ったままの用のないプラスチックを噛んだ。
彼のいないこの家にいる意味なんてあるのか。
四六時中、治と一緒に居られたらいいのに。
しかし、生きるために必要な金を得るための仕事は棄てられず、そんな阿呆臭い願いは叶えられないのである。
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作者名:あをいけ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/awoike_3th
作成日時:2018年4月9日 20時