【お嬢様と執事】主人との対決【執事視点】

私は姫川グループのご息女でおられる
姫川華鈴様専属執事、高峰優紀でございます。
華鈴様にお仕えしてから数十日が経ったある日
奥様が華鈴様をお呼びになっていることをお伝えし、奥様のところへ行かれ、華鈴様のお部屋を見学していたのですが…

「あれ、これって………」

私が見つけたのは写真立てです。
そこには私の両親と華鈴様が映っていました。

「な、なぜお父様とお母様が華鈴様と……？」

お父様とお母様はこの世にはいません。
なぜかって？
殺されたから、です。
誰に殺されたかは両親に仕えていた使用人からは聞いていません。
…ですが、なぜ華鈴様と一緒に映っているのでしょう？

「何をしているのかしら？」

華鈴様がお戻りになったようです。
急いでドアのほうに向かい
華鈴様を机の方に誘導しました。

「この写真を見ていたのね？…あぁ、このバカな女と男のことね」

バカ？
あなたがお母様とお父様を殺したのですか！？

「バカ……？私の両親をバカにしないでください！」

「あら、あなたの両親だったのねぇ？あぁ、そういえば女が言っていたわね。息子がいる、その子の名は高峰優紀、と。」

「なぜ、なぜ、私の大切な両親を殺めたのですか！！」

その疑問しか出てきませんでした。

「大切な両親？……ふふ、笑わせないで？あなたのお父さんはね、もともと私のものだったのよ！」

お父様が華鈴様のもの？？
どういうことでしょうか。

「私は祐孝さんと結婚するはずだったわ。だけど、祐孝さんは私の知らないところで、あなたの母親と浮気をしていたのよ！それに、その女との子供が出来ちゃって、私に別れを言ってきたの！だから別れてやったわ！」

そ、そんな………
お父様が浮気なんて………

「あなたを産んだあと、祐孝さんは謝ってきたわ。『ごめん、麻耶と幸せになるから華鈴は他の人と幸せになってくれ』ってね。私はそれを聞いて腹が立ったわ。だから祐孝さんとあの女を殺したのよ」

酷い方ですね、あなた。
復讐は今だ。今しかない。
私は密かに持っていた刃物を華鈴様に向けた。

「………うふふ、無礼にも程があるわね。復讐しようとしていたのね。でも無理よ。私は護身術を習得済なの。私には勝てない。」

華鈴様は護身術で、私の攻撃をかわした。
私をねじ伏せた華鈴様は、私の耳元でこう囁いた。

「あなたは私を殺せない」

それを聞いて私はこれまでにない悔しさを覚えました。くっそ！
すると華鈴様は私を押し倒しました。

「あなたの顔、よく見ると私の好みだわ。ねぇ、私のペットにならない？なってくれるなら、さっきの無礼な行為を無かったことにしてあげるわ。解雇されたくないでしょう？？どうせ行くあてもないのでしょう。私の執事、そしてペットとして私に忠誠を誓うのよ。どうかしら？」

何を言うかと思えば………
ペット？ふざけないで頂きたいですね。

「誰があなたのペットになるものか！」

「ふ〜ん、いいのね？あなたの両親は私を地獄に落とした無礼者よ。このことが他の使用人やら私の親にでもバレたらどうなるかしらねぇ？うふふ」

くっ、それを言われては…
抵抗出来ないですね

「私のためだったら何でもするわよ？私の親と使用人は。暴力を振るうかもしれない、いや、そんなのでは止まらないわ。あなたのことを殺すかもしれないわよ？うふふ。」

あなたは狂ってる。
いや、姫川グループ全員が狂っている、と言うべきでしょうか。

「いい？あなたは私に逆らえないの。逆らえばどうなるか、分かるわよね？あなたの親のことをみんなにバラすわよ。」

「かしこまりました。私は華鈴様の執事兼、ペットでございます」

そう言う他ありませんでした。
華鈴様は嬉しそうなお顔をなさいました。

「うふふ、さすが私のペットね。可愛いわ。他にもペットはいるの。そのペットちゃんたちと一生懸命、私に仕えなさい？分かったかしら？？」

「えぇ、かしこまりました。」

「いい子ね、よしよし」

華鈴様によしよしされてしまいました。
秘密がバレてしまったら私は
お母様やお父様のように殺されてしまいます。
ここはお母様、お父様のために
執事、ペットとして華鈴様にお仕えすることに致しましょう。

「私がお父様とお母様に代わり、謝罪の気持ちを込めて誠心誠意、華鈴様にお仕え致します」

「うふふ、ありがとう、優紀。あなたは一生、私のものよ」

両親がしたことは謝ります。
しかし殺したことに関しては許しません。
ですから、あなたが死ぬまでお仕えして
そして死ぬ際は、しっかりと見届けさせて頂きますよ、華鈴様？？
ふふふ………♪