ウロボロスの片鱗よ【 B-0820-1 ヤツメウサギ】

【管理ナンバー】
B-0820-1

【コードネーム】
ヤツメウサギ

【需要】



B-0820-1 ヤツメウサギは、白と黒ブチ柄の兎の姿をしたエンティティーです。
垂れ気味の長い耳、つぶらな瞳、丸い足と短い尻尾を持っています。
毛並みは非常に柔らかく、撫でた人は気分が良くなり幸福感を得ます。
この大きい瞳は純粋無垢そのものであり、これを見たほとんどの職員はB-0820-1 に愛着を感じます。
黒ブチは全身にかけて点在しており、外見は普通の兎となんら変わりはありません。
職員からは、「ウサちゃん」と呼ばれることがあります。
ヤツメウサギという名前の由来は現在不明です。
職員の間では、黒ブチ柄だから目に例えた説が信じられています。


【管理方法】
B-0820-1 は、金属でできた6㎥以上の広いケージの中へ入れてください。
この際、完全に囲いを閉じる必要はありません。
B-0820-1 には、5時間おきに職員と身体を撫でさせるなどの触れ合い行為をさせてください。
このエンティティーは5時間以上人と触れ合わないと、40kHzの特殊な音波を発します。
この音波を感じた職員はただちにB-0820-1 の収容室へ向かい、膝に乗せたり背中を撫でるなどの行為を行うことが義務付けられています。
もし1時間以上の作業を行った際、担当職員を直ちに収容室から退出させてください。
この時、他の職員を隔離室へ入れることは禁止されています。
牧草やペットフードなどの餌を与える必要はありません。


【担当職員】
管理ナンバー2421 桜庭 明里職員　(みおん様)


【補遺】
〈職員⬛︎⬛︎⬛︎と職員⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎の録音記録〉

職員⬛︎⬛︎⬛︎(以下A):
このエンティティーは何を食べるんですか？なんか変な超音波が止まらないのですが。

職員⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎(以下B):
はあ？牧草に決まってるだろ。お腹すかせてるんだ。お前、餌買ってないのか？

A:そうなんですか。ウサギ苦手なんですよね。

(Bの怒声、罵詈雑言)

A:すみません。…なんだかウサギの顔が変わってきてませんか？こいつの体も震えているし、
私も頭痛が酷くなってきました。

B:おい、「こいつ」じゃなくて「ウサちゃん」だ！間違えるな！

A:はあ…そうですか。

B:かわいそう、お腹すいてるんでちゅね。あぁ〜ウサちゃん！寂しかったね〜はいよしよし。

A:いや、先輩そいつからちょっと離れたほうが…あ、こいつ顔が！やめっ…

(捕食音と骨を咀嚼する音、Aの悲鳴が収容室に響くと共に記録が終了)


【小説への出演】
出して大丈夫です。