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なんか...決まらん!!
そんな、神楽小夜です。どうも。

グリム童話みたいなー...はい、みたいな。
元ネタは「青髭」という童話なのですが、
あれ...本当は恐ろしいグリム童話っていうOVAのヨハンナが...イケメンで...作りました。
誤字脱字についてはコメントにお願いします┏○┓

所要時間 15分

メインキャラ ♂2:♀1(モブを除いて)
登場人物
ミリア(女) 14歳
グリフィア(男) 27歳
ヘレン(男) 27歳
(その他)
メイドor召使い(以下"使い"と表示) 1人
村人と子供 3人程

合計 5〜7人
モブの部分は掛け持ち可能ですのでご自由にー
(タイトルコールどうぞ)
誰でもいい(ん!?)「スモールナイト童話
全てが許される国。」

(SE 足音 2人)

使い1「ミリア様、こちらがグリフィア皇太子 のお部屋でございます。」
ミリア「うん...。」
使い1「緊張なさってますか?」
ミリア「は、はい!かなり...。」
使い1「大丈夫ですよ、グリフィア皇太子様はとても優しいお方です。

何もしない限りは。」
ミリア「そう...。」
使い1「では、ごゆっくりお話してください。」

(SE 扉の開閉音)

使い1「皇太子様、ミリア様でございます。」
ミリア「み、ミリア・シルベスターです。」
グリフィア「ミリアか。素敵な名前だね。初めまして、グリフィア=ギスティアだ。
ゆっくりしていいよ。こっちに座って。」
ミリア「はい。では...。」
グリフィア「君はもう下がってもいいよ。彼女と二人きりになりたい。」
使い1「かしこまりました。では、失礼しました。」


ミリア(私ミリアは、この人の嫁候補に選ばれた。
彼は確かに他の男にはない美しさを持っていて、ルックスとか、優しさとか...何もかも全てを持っている。富も金も幸せも、そして権利も...。
もし彼と結婚すれば私は毎日この城で贅沢な暮らしができる。幸せになれるはず。
けれど...怖い。何故か怖い。
何故私を選んだの?今までの嫁候補は何処へ?
私はこれからどうなるの?)

グリフィア「ミリア...大丈夫?」
ミリア「へっ!?」
グリフィア「あー...そんなに緊張しなくていいんだよ。僕はこれから君の夫になる。そして君は僕の妻になる。...わかる?」
ミリア「は、はい!わかります!」
グリフィア「僕達は夫婦だ。そんなに緊張しなくたっていいんだよ。」
ミリア「は、はい...。」
グリフィア「...。」

(しばらく沈黙)

グリフィア「...ねえ。」
ミリア「あああはいっ!」
グリフィア「やっぱり緊張する?」
ミリア「はい...。」
グリフィア「フフッ...可愛い。」
ミリア「へっ?」
グリフィア「ここでは何をしてもいいんだよ。何にでもなれる国だ。この国を作ったのは僕だ。」
ミリア「はあ...。」
グリフィア「今君は何をしたい?ご飯食べたい?お風呂に入りたい?」
ミリア「えっと...えぇっと...。」
グリフィア「それとも...ベッドで2人で...。」
ミリア「ひっ、ひいいぃっ!!」
グリフィア「あっははは!冗談だよ!」
ミリア「ぐ、グリフィアさん...っ!」
グリフィア「フフッ、さんづけはいいよ。
僕のことは、"フィア"って呼んでね。」
ミリア「フィア...さん。」
グリフィア「フィ...ア。もう一回。」(囁き)
ミリア「フィア...。」
グリフィア「うん。合格。」
ミリア「ありがとうございます...。」

ミリア(皇太子である彼は、確かに優しかった。
次第に、私もだんだんと彼に惹かれていき、今まで私にはなかった何かが芽生えてきたきがした。)
ミリア(このままずっと幸せが続いてくれさえすればいい。そう私は思うようになった。)

ミリア(翌日の朝。私は彼を起こした。)

ミリア「フィア!もう...早く起きないと寝坊するわよ!」
グリフィア「ん...んん...わかった、わかったから、今起きるよ。」
ミリア「先に朝食を食べるからね。」
グリフィア「待ってくれミリア!」
ミリア「え?...何?」
グリフィア「おいで。」

(SE キス)

グリフィア「...おはよ。」
ミリア「あ...おはよ、フィア。」
グリフィア「今日も君は美しいよ。」
ミリア「ありがと。さ、早く着替えて朝食を食べましょ。先に行ってるわ。」
グリフィア「待ってくれミリア。ここにいてくれ。」
ミリア「えー...うん、いいわ。フフッ。」
グリフィア「フッフフ」

ミリア(絢爛豪華な城で、貧しかった生活の中では見ることのなかった景色を私はじっくりと眺めた。
美しく飾られた絵画、色鮮やかな素敵な食事、そして高い丘に建つ城のバルコニーから眺める絶景。その絶景は国全体を見渡せるぐらいの高さから眺めることが出来た。
これが、贅沢な暮らしというものだろう。)

ミリア(でも、それだけにはとどまることは無かった。
それは、私が城の外でゆっくりと街を歩いていたことだった。
私は街で買い物をしていて、果物や野菜、パンを買って帰ろうとしていた。その時...。)

子供1「どけ!」
ミリア「あっ!ちょっと!!」
子供1「へへっ!」

ミリア(小さな男の子が突然私にぶつかってきた。でも、その瞬間なんだか身が軽くなったような...。)

ミリア「...ま、まさか。
(買い物カゴを漁る)...。
...り、リンゴが2個ない。」

ミリア(それは当たり前のように何度もおそってくる。盗みなんてまるで当然のようだった。)

村人1「見てよあの女...。」
村人2「あーね。噂のお姫様じゃない。」
村人1「皇太子様とこれから結婚するんだってねー?」
村人2「めでたいことよねー。あんな貧乏女がまさか嫁に選ばれるなんてねー?」

ミリア(...そうだ、私はかつて富も何も無い、恵まれない家庭に生まれた貧乏娘だった。
お金もなくて、食料も自分で作るしかなく、何一つ幸せのなかった生活だった。
そんな私をフィアは選んだ。しかし何故?
何故フィアは私を選んだの?
貧乏で、他人から嫌われるくらい汚い私を、
何故...。
まるで何か目的があるようで怖い。
私は街の人達の会話を聞かなかったことにし、
直ぐに城へと足早に去った。)

グリフィア「どうしたんだミリア。顔色が悪いよ?」
ミリア「い、いえ...大丈夫よ...。」
グリフィア「本当に?」
ミリア「ほ、本当よ。大丈夫...。」
グリフィア「さっきリンゴを盗まれて落ち込んだ...訳では無いか。何か嫌なことでもあったのかな?」
ミリア「それは...その...。」

ミリア(このまま言わずにずっと抱え込むだなんて絶対に嫌。私は、思い切って彼に聞くことにした。)

ミリア「ねえフィア。その...聞きたいことがあるんだけど。」
グリフィア「ん?なんだい?何でも聞いてあげるよ。」
ミリア「その...フィアは今までに私以外にも嫁候補を選んだことがあるのよね。
彼女達は今どうしてるの...?」
グリフィア「失敗したよ。」
ミリア「失敗...?」
グリフィア「彼女達もまた君のように貧しい生活の中暮らしている女性だった。
でもその貧しさが欲望の花を咲かせたんだ。
彼女達は貧しすぎた故に求め過ぎたんだ。
富とか、自由とか、いろいろ。」
ミリア「それで...離婚を?」
グリフィア「いや、結婚する直前に別れたよ。
今の君のように、3年間の間嫁候補を観察して、結婚するかしないかを判断するんだ。
欲深過ぎず、純粋な女性を僕は探してる。
しかし、そんな女性を見つけること自体難しいんだけどね。」
ミリア「そうなのね...。」
グリフィア「結婚式まであと2年だ。今のところ君にはなんの悪い変化もない。
...今のところはね。」
ミリア「...。」
グリフィア「君がこれからどのように変わるのか、僕にはわからない。だから...不安なんだ。
本当に、君を信用していいのか...。」
ミリア「...私だって、本当に貴方を信用していいのか、わからないわ。」
グリフィア「えっ?」
ミリア「だって、わざわざ貧しい女性を選ぶ皇太子なんて聞いたことないわよ。どうして、わざわざ貧しい女性を選ぶの?何故、私を?」
グリフィア「...それが、君の悩みの原因なのかな。」
ミリア「...はい。」
グリフィア「じゃあ、全て教えてやろう。
(ゆっくりと近づくフィア)
...愛を試したかったんだ。」
ミリア「愛...?」
グリフィア「貧しい人ほど心は純粋で、見たことの無い広い世界と自由を求めている。
そんな女性が僕は好きだ。今でも好きさ。
貴族同士の結婚なんて幸せなものじゃない。
だから僕は求めたんだ、"純粋な心"を持つ女性を。」
ミリア「フィア...。」
グリフィア「でも何故なんだ...確かに今までの彼女はそうだったのに、欲に触れれば心が汚れるんだ...僕の考えがズレてただけなのかな...。
この世界に、"純粋な心"を持つ女性なんて居ないんだって...薄々と思っているんだ...。」
ミリア「そんなことないわよ!」
グリフィア「ミリア...。」
ミリア「だったら私がなってあげる。成し遂げてみせるわ。欲に汚されないって、あなたの理想の女性になってみせる!」
グリフィア「本当に...?」
ミリア「ええ、本当よ。」
グリフィア「信じてもいいのか?」
ミリア「ええ、私を信じて。」
グリフィア「...裏切ったり、しない...?」
ミリア「裏切らないわ。あなたのためなら...。」
グリフィア「...ミリア...。」
ミリア「愛してるわ...フィア...。」
グリフィア「僕もだよ...ミリア...。」

ミリア(その夜は今までよりも美しかった。
空に広がる星々とぼんやりと輝く三日月が窓から部屋に差し込んでいた。
子供をあやすように優しく囁く彼の声は、この心をまどろみへと誘っていく。
心も体も、既に彼の物になってたのだろう。
それでも私は...構わない...。)

グリフィア「...ミリア...本当に君は純水で美しい...やっと、僕が求めていた女性に会えた気がするよ...。」
ミリア「...フィア...私もやっと欲しいものを手に入れて幸せよ。富も自由もそうだけれども...何よりも貴方といることが幸せよ...。」
グリフィア「フフッ...僕も。」

ミリア(...自分の体が、心が、頭が、どんどんとおかしくなってたのだろう。
私はもう、異常者なのかもしれない。
ただ、幸せだけを求め続けた。
私の瞳に映るあの人が、優しく微笑んでいる。
嗚呼、これが幸せなのねと、私は心の底からそう思った。)


ミリア(そして2人で過ごした夜の宴は、次第に激しさを増し、最後に疲れ果て眠りについた。
暖かい彼の肌、腕に包まれて私は眠った。)

ミリア(その後どうなったのだろうか。
私の記憶はそこから途切れてしまっている。
気がつけば冷たい空気が肌に触れ、その鋭い針のような冷たさに私は目が覚めた。)

(SE:鎖の音)

ミリア(私の両足には足枷...見渡せば牢獄のような場所...いや、実際にここは牢獄なのかもしれない。
さっきまで私はフィアと一緒に寝てたはずなのに...どうしてここに?)

(SE:鎖の音)

ミリア「痛っ...何よこれっ...!」

ミリア(もがこうと足を動かすと、足枷の錆が肌を傷つけようとする。腕はどうやら自由らしいが...。)

ヘレン「目が覚めたか女。」
ミリア「っ、誰!?」

ミリア(男の声...フィアではない。
フィアのようなあの優しくあたたかい声とは違う。
冷酷で鋭い、命令するかのような声音。
その声に私は顔を上げた。)

ミリア「貴方は...誰なの!?」
ヘレン「落ち着け女。今から説明するから...」
(ミリア:ヘレンの言葉を遮って)
ミリア「ここは何処なの!?一体私に何をするつもりなの!?」
ヘレン「落ち着けって言ってるだろ!!」(ミリアの顔を蹴る)
ミリア「うぁっ!!」

ミリア(酷い人だ。フィアとは正反対のようだ。
私の顔を蹴り、私は冷たい床に倒れた。)

ヘレン「いいか、ここで騒いだりしたら、お前の心臓を抉りとってやる。」
ミリア「っ...わかった、静かにしてるから。」
ヘレン「では...今から説明してやろう。
まずは自己紹介か。俺はヘレン。
親に捨てられたから実質苗字なんてものは無い。
だがあのクソ男が俺に無理矢理苗字つけやがって...俺のフルネームは"ヘレン=ギスティア"だってさ!?笑えるだろ!?(笑いではなく怒りを込めて)」
ミリア「苗字を...つけられた?」
ヘレン「ああ、そうだ。
俺も実はお前と同じ元貧乏人だったんだよ。
だが親が俺のこの赤い髪を見て異端児だのなんなの騒いで、ついに俺を家から追い出した。
結果的に捨てられたってわけだ。」
ミリア「可哀想に...。」
ヘレン「だが、こっからが本題だ。
森で道に迷ってた時に偶然この国にたどり着いたんだ。
丁度お出掛けから帰ってきたっつってた皇太子様が俺を見てたいそう気に入ったみたいでな、俺をこの城で雇ったんだよ。」
ミリア「そうなんだ...。」
ヘレン「ちなみになんだがな。」
ミリア「えっ?」

(SE:ナイフの音)

ミリア「っ!?」
ヘレン「さっき言ったよな。騒げば殺すって。」
ミリア「さ、騒いでないわよ...私...。(震え声)」
ヘレン「なんで俺が"殺す"って言えるか、知ってるか?」
ミリア「えっ?」

ミリア(彼は私胸ぐらを掴んで近づけた。
そして私の耳元で、こう囁いた。)

ヘレン「...ここでは俺は"殺し屋"だからだよ。」


つづく

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作者名:神楽小夜 | 作成日時:2018年10月24日 21時

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