検索窓
今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:165 hit
 バニー芳一様の企画、『ワナビー・ヒーローズ』の参加作品です。

 お互いに睡眠について色々ありましたので、色々妄想させていただきました。
 恋夢ちゃんのお名前に夢が入っていたのと、サンプルボイスから...。

*character
 ※タップでキャラクターシートに飛べます。

 有栖川ルイス (ルーシャ)
 夢城恋夢 バニー芳一様より。

⚠️attention

 『ワナビー・ヒーローズ』関連ではございますが、戦闘シーンが御座いません。
 戦闘時以外のヒーローを書きたかった。
 百合とも友情ともとれます。苦手な方はご注意ください。
 作者の子が贔屓目かもしれない。というよりはうちの子視点。
 オチは特にありません。
 世界観がちょっとずれているかも。

 稚拙な文章ではございますが、寛大な心で読んでいただけると光栄です。
 
 誤字脱字、ご指摘等御座いましたら、どうぞお気軽にコメントくださいませ。
 
「ルイスはすごいね。また満点だ。」

「きっと将来は人のために動ける素敵な人になるわ。」

「うん。お父さん、お母さん。私頑張るね。」

 お父さんだ。お母さんもいる。とっても嬉しそう。
 そっか。私、褒めて欲しくて勉強、頑張っていたんだった。

「私、人を助けられる人になるよ。」

「頑張って。ルイスなら必ず...。」

 暗転。




「お父さん?お母さん?」

 場面は変わって、薄暗いお部屋。
 目の前の無機質なベットに横たえられているのは、お父さんとお母さん。
 何もしない、冷たくなった2人だった。

 お父さんとお母さんは死んだ。
 それは、紛れもなく、覆せない"事実"。
 動揺と絶望、孤独感に寂しさ。
 この世に生をうけて、10年弱。
 今までに感じたことのない冷たい何かで満たされる感覚。
 その幼い未熟な心と体では、受け止めきれなかった冷たいものが、目から止めどなく溢れていた。
 溢れるぐらいにいっぱいなのに、心に空いた穴が埋まることはなく。
 一寸先も見えない暗闇で、崖の縁にに立っているような気分だった。

 ふと、肩を誰かに捕まれた。とてつもない力と痛みを感じて振り向く。
 
 そこには、ぼろぼろで血濡れた、つまり、まるで亡霊のような二人が立っていた。

「人を助けられる人になるって行ったじゃないか。」

「私たちは助けてくれないのね。」

「今まで育ててやっていたのに。」

「やめて。こっちに来ないで...。」

 変わり果てた両親の怨み言に、必死に耳を塞いだ。

「両親すら助けられない、産んだのが貴方でなければよかった。」

「ごめんなさい...。ごめんなさい...。」

 それでも声は聞こえてくる。

「お前のせいだ、あんたのせいで...!!」

 襲いかかってくる二人。

 再び暗転。




 恐る恐る目を開ければ、そこは良く見知ったいつもの天井。
 暑いわけでもないのに、汗で湿ったネグリジェとシーツ。

「夢か...。」

 ようやく飲み込んだ現実に、安堵のため息をひとつ。
 両親がそんなこと言わないと信じている。
 けれども、両親を助けられなかったという負い目があったのも事実。

「眠たい。」

 しかし、湿ったネグリジェとシーツが気持ち悪い。
 しかし着替えるのも面倒だな、と考えて、もう一度布団に潜り込む。
 本当は、夢が怖いからだなんて、とっくに自分で気づいていたが、認めたくなかった。

 寝付けそうにない中、布団の中でぼーっとしていると、部屋のドアが空いた。

「ルーシャちゃん、大丈夫?」

 かわいらしいピンクのおさげを揺らして顔を出したのは、恋夢ちゃんだった。

 夢城恋夢。今日、偶然であったヒーローさん。
 お互いに仲間が欲しいということで意気投合し、一緒に寝ることになった女の子。
 ベッドの関係上、お隣の部屋で寝てもらっていた。

「起こしちゃったかな。ごめんなさい。」

「大丈夫。恋夢も起きてたんだ。」

 恋夢ちゃんは不眠症らしい。 私からすれば、寝られないのは地獄だけれど、
 それを感じさせない明るさを尊敬したのを覚えている。

「すごい魘されてたけどどうしたの?話聞くよ?」

 ほら、自分こそ寝られず苦労しているでしょうに、私を気遣ってくれている。
 自分なんかには釣り合わない、根からの善人だ。

「ちょっと昔の夢を見たの。もう大丈夫だと思う。お気遣いありがとう。」

 嘘だ。でも気を遣わせるのは申し訳ないから。大丈夫って言わないと迷惑をかけてしまう。

「そうなの?じゃあ...、恋夢が寂しいから、一緒に寝ない?」

「えっと...。ならそうしよう。寂しいならしょうがないもの。」

 気を遣ってくれてるのは分かっているけど、やっぱり甘えたかった。
 恋夢ちゃんのベッドに二人で横になる。
 決して広くはなかったけれど、たいした問題ではなかった。
 お互いの体温を感じる。2人でいる、というのはやはり、私に確かな安心感を感じさせた。

「有り難う。」

「何でルーシャちゃんが謝るの?寂しいのは恋夢なのに。」

「そうだった。でも、恋夢ちゃんと寝られて嬉しい。」

「恋夢も。隣にいるの、嬉しい。」

 恋夢ちゃんは優しい。無粋だから、あえて何でかは言わないけれど。
 でも、一緒に寝られて嬉しいのは本当だ。

「お休みなさい。また明日。」

「有り難う。お休みなさい。」

 今度は、安心して眠りにつくことができた。


 その後、お互いに何時もより良く寝られたんだとか。



 
 悪夢(ナイトメア)によって繋がる糸。
 それなら悪夢も悪くない。なんて。


*-------------------------------------------*

 恋夢ちゃんが可愛い。サンプルボイスがとても好みです。
 バニー芳一様。
 素敵なキャラクターを有り難う御座いました!!

 解釈違いなど御座いましたら気軽にご指摘下さいませ。
 気づき次第修正いたします。

*-------------------------------------------*

ホムペを作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

このホムペをお気に入り追加 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:ワナビー・ヒーローズ , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

むみ(プロフ) - バニー芳一さん» 此方こそ素敵な子を生んでくださって有り難うございます...!! 書くのがとても楽しかったです。 (4月10日 18時) (レス) id: fa8f980323 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一(プロフ) - 一緒に横になっているのてぇてぇです、ありがとうございます (4月10日 10時) (レス) id: e2dede88a8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような占いを簡単に作れます → 作成

作者名:むみ | 作成日時:2024年4月9日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。