【BL】ウィザード＆ギヴァー【設定早見表】

世界観
　現代日本とほぼ変わらない。違いは、ウィザードとギヴァーとマナに関することがあるかないかくらい。



◇ウィザード◆
　体内のマナを消費して不可思議な能力を使うことのできる人間を指す。使える異能力は基本的に一人につき一つだが、稀に二つ使えるウィザードもいる。マナを第六感的に感じ取れる。
　全人口の0.1%未満。
　大気中に漂うマナを自力で体内に取り込んで溜め込むことができない。大昔はそれができていたが、今、ウィザードでありながらこのマナを取り込む力も同時に持つ、という者はいない。
　異能力を使わなくとも体内のマナは僅かずつ外に放出されている(マナの自然放出という)。これは自分では止められないし自然放出量を操ることはできない。体内のマナが枯渇するとマナを求める衝動が理性を上回ることがあり、ギヴァーを探し回り、見つけると襲い掛かってしまうこともある。マナが長時間枯渇すると、きちんと食事を採っていても身体が飢餓状態のようになり、やがて死ぬ。
　異能力によって消費される(というか異能力という形でマナを放出している)マナ量は、異能力の大きさによる。
　ウィザードの他に、ウィズと呼ぶことも。表記ではＷが使われることもある。
　大昔は畏怖されていたが、基本的に今はそんなことはない。たまに異能力が危険な者が恐れられることはある。
　ただ、WがＧを襲った事件が起こると、「やっぱＷは危険だ」「Ｇが可哀想」というような風潮になりやすい。



◆ギヴァー◇
　大気中に漂うマナを体内に取り込んで溜め込む力を持つ人間を指す。異能力は使えない。マナを第六感的に感じ取れる。
　全人口の0.1%未満。
　ウィザードに自分の体内にあるマナを与えることができる。一定時間当たりのマナ譲渡量は、相手との相性や授受の方法によって変わるのであって、自らマナを操って譲渡量を変えることはできない。
　マナを吸収・蓄積できても体外に放出することができず、際限なく溜め込み続けるのを止めることができないため、限界量を超えると高熱を出し、無意識にふらふらとウィザードを探し求めてしまう。そのままウィザードに与えることができないと、やがて高熱で死ぬ。
　マナの吸収を止められはしないが、意識すれば吸収量を自ら若干増減させられる。量を操っていない通常時の吸収量をマナの自然吸収量という。
　ギヴァーの他に、ギヴ、タンクと呼ぶことも。表記ではＧが使われることもある。
　タンクという呼び名は、マナを溜める器という意味で昔使われていたが、差別的だと言われ、実際、ウィザードの中には差別的に使うものをいたため、今ではギヴァーと呼ぶのが一般的。しかし一部には未だタンクと呼ぶ者も。
　普通の人間がギヴァーに対して偏見を持っていることはほとんどない。



ウィズヴァー
　ウィザードとギヴァーの二者をまとめて指す言葉。合成語。他にはウィギ、表記ではＷ・Ｇというのもある。



ウィズヴァーについて
　研究によれば、大昔、ウィザードはギヴァーの能力も扱えていたが、突然変異でマナを蓄える力を失った。代わりにマナを蓄えることのできる人間が生まれるようになった。どうやら旧ウィザードが現ウィザードとギヴァーに分かれた形のようだ。現在、ウィザードとギヴァー両方の能力を持っている人間はいない。
　ウィズヴァーとしての力・性質(マナの感知、放出/吸収・譲渡)の発現は物心ついた頃以降にあり、赤子のときには既にという者はいない。遅くとも中学生になる頃には発現する。
 ウィズヴァーは、普通の人間の間からでも生まれ得るし、逆に両親がウィズヴァーだとしても必ずその子どもがウィズヴァーになるわけではない。
　普通の人間は他人がウィズヴァーか否かを区別することはできないが、彼らはマナを感知できるため、体内にマナを保有しているかどうかで区別できる。
　マナの保有量には個人差がある。マナの保有量の大きさと異能力の大きさは比例しない。
　肉体的な話でいうと、普通の人間と変わりない。ウィザードだから特別屈強だということも、ギヴァーだから特別貧弱ということも、その逆もない。



マナ
　超常的なエネルギー。神秘の力の源。普通の人間には扱うことはおろか感じ取ることもできない。パワースポット的な場所は大抵マナが豊富。
　マナは人間に取り込まれると、その個人特有のものに変化する。よくギヴァーは、自然の中の無色透明のマナを、取り込む過程で自分が持つ固有の色に染めていく感じ、と説明する。ウィザードでも似た現象が起き、ギヴァーからマナを渡される過程でそのマナの色を己の色に染めていく感じ、と説明している。
　上の表現の仕方から、大気中のマナをナチュラルマナorＮマナ、体内に取り込まれたマナをカラードマナorＣマナと区別した名前もある。Ｃマナは大気中へと放出される過程でＮマナへと戻る。



マナの放出/吸収障害
　放出障害：ウィザードの1日あたりのマナ自然放出量は、通常、各人のマナ限界保有量の約0.3〜0.7%と少なく、異能力を使わなければマナ補給は1年に1、2回、多くとも3回で済む(あくまでも全く異能力を使わなかった場合)。しかし放出障害を持つ人は、約7〜10%と多く、14〜10日に1回の頻度でマナ補給をしなければならない。つまり、放出障害であると、マナ補給の頻度を通常より高くしなければすぐにマナが枯渇する。
　吸収障害：ギヴァーの1日あたりのマナ自然吸収量は、通常、各人のマナ限界保有量の約3%で、少なくとも1か月に1回はマナ譲渡を行う。が、吸収障害を持つ人は約14%と多く、少なくとも1週間に1回はマナ譲渡を行わなければならない。つまり、吸収障害であると、マナ譲渡の頻度を通常より高くしなければすぐにマナが飽和する。
　この障害を持つウィズヴァーは稀。後天的な者が多いが、極僅かに先天的(厳密にはＷ/Ｇの性質が発現した時から)な者もいる。原因は分かっていないが、ウィザードなら異能力を使うのを極力控える、ギヴァーなら吸収量を意識的に減らす、ということを長く続けることでいつの間にか治る。それでもなかなか治らない者もいる。



ウィザード・ギヴァー間のマナの授受
　互いの体液を互いに摂取することで一時的にパスを繋ぎ、体が接触している間、マナの授受ができる。
　一般的な方法を挙げると、唾液を混ぜた水を互いに相手に飲ませ、手を繋ぐ。すると手を繋いでいる間、マナの受け渡しが行われる。だが、体液交換でパスを繋げるのはあくまで一時的なため、手を繋いでいても、一定時間(交換する体液の濃さ、量によって変わる)経てばマナの受け渡しができなくなる。
　恋人などの親密な仲であれば、キスで体液交換を行う場合もあるようだ。
　交換する体液の濃さ・量が多い程、体の接触具合が深い程、マナの授受の効率が上がる。
　ウィザードとギヴァーには、Ｃマナの相性があり、これがマナの授受の効率に直結する。相手との相性が良いほど、マナの受け渡しの効率が良く、……気持ちが良さも感じる。人によって気持ち良さの種類は違うようだが。



ペアリング
　"ペアリングの意思を持って"互いの体に同じ印を"つける"こと。これをすると、ペアリングした者同士でしかマナの授受ができなくなる。代わりに、マナ授受効率が飛躍的に上がる。ペアリングによってＣマナの相性を上げている、とも言える。ウィズヴァー曰く、相手(のＣマナ)を自分の色に染めている感じ、らしい。
　印はタトゥーでも傷でも良い。印をつける位置は同じでなくて良い。印が何らかの原因で消える、あるいは違う形(例：タトゥーに上から傷をつける)にするとペアリングは消滅する。
　最近では、水性ペンで同じマークを描き、マナの授受をした後にマークを洗い流す、という即席ペアリングをやる者もいるようだ。
　ペアリングの意思と印をつける行為がなければならないので、たまたま同じ形の痣やホクロ、傷痕等があったからといって自動的にペアリングがされるわけではない。
　またペアリングの問題点として、一方だけがペアリングの意思を持って相手の同意なくその体に印をつけてもペアリングが成立してしまう。



運命の相手
　ウィズヴァーの間で流れている真偽の不確かな噂。Ｃマナの相性が最高の相手のこと。直感的に分かり、その相手に対してはまさに運命かと思うほど惹かれるらしい。だが噂によると、相性最高＝運命の相手というのはこの世に一人しかおらず、滅多に出会えることはないらしい。



ウィズヴァー支援機構/WSO
　ウィズヴァーの支援を目的とした機構。政府の管理する組織。ウィズヴァーであれば、ここにウィザードorギヴァーであると登録するための届出を出さなければならない。
　これは、ウィズヴァーに関する事件・問題が起きた際(←特に異能力を使うウィザードに関係する)、警察に情報提供の協力をしたり、病院と連携することで、栄養失調のような症状や高熱の症状で運ばれてきた患者がウィズヴァーであるかどうかの確認をしやすくさせたりするためである。
　他にも、マナが枯渇しそうなウィザードとマナが溢れそうなギヴァーをマッチングさせたり、異能力を上手く扱えないウィザードに対して異能力を使うコツを教えたりする。また、ウィズヴァーであることが原因で身寄りがなくなった者の支援や、ウィズヴァーに対してその力が活用できる仕事の紹介などもしている。単に相談に乗るということもしている。
　各都道府県に一つ以上ある。
　受付などは普通の人間であることが多いが、マナを操るコツを教えたり、相談に乗ったりなどを担当する職員は当然ながらウィズヴァーである。
　Ｗ・Ｇマッチングアプリ/サイトも出しており、そこに登録し、マナの授受をしたい時期と住む地域を登録すると合う人を登録者の中から見つけてくれる。出会い系みたい、と言われがちだが、決して出会い系ではない。が、チャット機能はある。
 勿論、こういうのはちょっと、という人は、ＷＳＯの職員に信頼できる人を紹介してもらう、という方法を採ることもできる。

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