一書き手が伝えたい〜作品への低評価について〜

まずは、私の自己紹介的なものを簡単にしましょう。


私は元読み専、半月ほど前に書き手を始めた人間です。占ツク自体は多分5年？以上見ています。私の書く小説はオリジナルではありませんし、あまり知られたものではありませんが、読んでくださる方たちに恵まれ、今も楽しく好きなことを書いています。知ってくださる方、いらっしゃるのでしょうか。いらっしゃったらとても嬉しいです。



さて、本題に入りますが、私はこれまで占ツクの検定や小説を見てきて、一度も低評価をしたことがありませんでした。なぜかと言いますと、これは私自身が人様の作品にマイナスな評価をつけることが苦手だからです。そして、書き手を始めてからは特にそれができなくなりました。



もちろん私自身、良くは思えない作品などにも出会ったことはあります。しかし、ブラウザバックだけで留めていました。どんなに不快に感じるものでも、低評価をしなくてもそれで私の気が済むからです。そして私も低評価をされることは苦手でした。だから、この論理は私のような人間にしか通用しないのかもしれません。そこは悪しからず。




低評価をされることが苦手な作り手さんはたくさんいますよね。当たり前です。人にマイナスな評価をされるのは怖いですから。作り手ならそれも覚悟でやれ、という意見も一理あるとは思いますが、怖がるのを悪いことと思う必要は無いと私は思います。




だって、ここはネットの世界です。匿名の世界。匿名の、顔も知らない、性別もわからない相手に評価をされる。それを怖いと思うか、気にしないでいられるか、それは人それぞれです。因みに私は、どちらもです。「どこの誰がしたか分からない低評価なんて気にしない」と思えることもあります。でもやはり、怖いのです。




低評価をする方は、この作品のどこが悪い、どこが嫌いだという部分を書かずに低評価を押していきますよね。それが普通となっていますし、書き込んだとして作者や読者の反応が面倒だから書かないという気持ちもわからなくはないです。




しかし、低評価を押された側はどこが悪かったのかわからないまま、低評価を押した方への疑問や不信感を抱くでしょう。そしてそれは中々解消されません。だって理由がわからないのだから。そんなこと、低評価を押した方は気にしないでしょうし、関係ないのもわかっています。ですが、低評価を押した理由は何なのでしょうか。




例えば、その内容が人道的に、道徳的にどうかと思う、というような場合は忠告もこめて低評価を押すというようなことがあるかもしれません。しかし、文の書き方が好みじゃない、作者のテンションがウザイ、誤字脱字が多くて腹が立つ、というような自分が不快に感じたという理由で低評価を押す方が昨今多いのではないかなと思います。もちろん、人道的におかしい内容だって不快に感じることには変わりありませんが、この2つでは明らかに違いがあるのはわかりますよね。



はっきり言います。私は、理由も言わずに作品に低評価を押していく方が嫌いです。



よく「意味の無い低評価はやめてください」という注意書きをしている方を見かけますが、意味はあるのです。しかしそれを言わないのです。自分の単純な好みに合わなかったということをコメント欄に書きたくないから。それを書いたら、その作品を気に入った方やなんかに自分が批判されるから。作者にアンチだと思われて通報されるから。そしてそれを面倒だから、という最もらしい理由付けをする。(本当に面倒な方もいるでしょうが。ですがそれだったら評価すらしませんよね)



さすがに自分の作品を批判したからと言ってすぐに通報するのは作者の心が狭いとは思いますが、それでも低評価を残したのに理由も言わずに逃げることを私は人道的に良いこととは思えません。



これがネット上の世界だからしょうがない、というのは分かっています。Twitterなどでも、匿名での誹謗中傷、炎上による叩き、話を大きくして煽ったり、というのは日常茶飯事です。しかし、それって見ていて気持ちのいいものではありません。しかもその理由が、人が炎上してるのを見ているのが楽しい、とか幸せそうに見えてイライラした、とか自分の歪んだ感情のままにしたことだった場合、被害者はその理由さえ分からず、悶々とするのです。自分が悪かったのか、ただ相手のなんとなく、でそうなってしまったのか。もし自分が悪いならどこが悪かったのだろう……と出ない答えを追い求める人もいるでしょう。理由を書いてくれれば一発でスッキリするのに。



これって占ツクも同じですよね。



自分が低評価をした作品の作者がどういう人間なのかは作品を見ただけではわかりません。文面ではテンションが高くて明るいからと言って、心の強い方とは限らないのです。低評価を押す方には作者側の気持ちなんて関係ないのかもしれない。ですがあなたが低評価をその作品に押すのは作者にこの作品が嫌いだと伝えたいからですよね。作者を悩ませるためではないはず。だったら、無駄に悶々とさせることはやめてください。作者の方は自分なりに作品を作っています。あなたの好みには合わなかったかもしれないけれど、作者はそれがいいと思って作っているのです。なのに理由もわからず低評価をされたら、どの作者も一瞬は考えるでしょう。「なにか自分が悪かったのかな？」と。その後に悩むのか気にしないのかは人それぞれですがね。


しかし、さっき書いた通り、悩んでしまう方もいる。
低評価を押すあなたがわざと作者を悩ませたいのならそれはいいでしょう。まあさすがに悪趣味かなとは思いますが。ですがそれはそれ相応のやり口ですので止めません。まあ悪趣味ですが。



だから、低評価をどうしても押したい方には理由を書いていただきたい。



「あなたの書く○○は私の考える○○とは口調が違う」「あなたの文を見てイライラしました」「この表現ウザイので使わないでください」etc…


まずこんなことを書く前に低評価もせずブラウザバックをすれば済む話ではあるのですが、低評価を押す方はどうしてもいなくならないみたいなので作り手の一人としてのせめてものお願いです。


私の考えには賛同できない、自分の作品ではそんなこと指摘されたくない、という方もいるでしょう。ですが、低評価の理由がわかることで自分の作品が、書き方がどう思われる可能性があるのか、何に気をつけることができるのかが確実に分かると思います。そして、低評価をされた理由がどうでもいいことなら、自分の変えたくない部分であれば、作者であるあなたは気にする必要は無い。そもそも、低評価だけをして理由も明かさず逃げるのはその作品を侮辱したことになるとすら思います。


苦言を忍んで自分の作品をよくするきっかけにするか、作品を侮辱され続け、自分の作品を変えないのか……人それぞれではあると思いますが、私は低評価の理由はたとえどんな内容でも知りたいですし、それがためになることなら活用していきたいです。



そして、ここまで読んでも低評価、もといネットの怖さがあまりわからない人へ、私の実体験を話します。ネットの怖さと書きましたが、あくまで私個人の意見です。そんなの怖くない！という人もいると思います。



私が初めて作った検定の話です。その検定は天然のレベルを量るようなものでした。星が赤くなり、私は嬉しかったのですが、ある日コメント欄で、「作者の天然アピールがウザい」的なことを書かれてしまったんですね。で、それが結構賛同される方が多くて。私はそんなつもりが全然なくてびっくりして、どうしようか悩みました。自分がそんなつもりがないのに、そうとられてしまう。すごく怖かったです。直接話しているわけじゃない。それだけで伝えたいことや言葉のニュアンスが変わってきて、マイナスに取られてしまうことがある。


私は不快に感じた方が多くいたことに自分の言動を謝り、自分のことについて話している部分を全て削除しました。それでその騒動は収まり、事なきを得たのですが……



こういう占ツクのようなサイトは主に作品を作る【発信者】とそれを閲覧し、【享受する側】の人達がいます。そして作品について、享受する側はこのサイトの評価という機能も相まってなんとでも言えるわけです。しかし発信者は違う。これはチャットではありません。最初から対等ではない。一人の【発信者】と、その他大勢の【享受する側】。数的にも立場的にも、上なのは圧倒的に後者。


私に限った話では無いと思いますが、作り手である発信者は自分の作品を見てもらうこと自体嬉しいのです。だって見られすらしないかもしれないのだから。ですが、その優位な立場を利用して享受する側が低い評価を押すのは、例えるなら教師みたいですよね。その人の努力や、気持ちを全く配慮しないで劣等生の烙印を押すような名前も顔も知らない教師。


そう、発信をする側というのは少なからず不安なのです。初めて作品を作る人もいるでしょうし、自分に自信がある人ばかりではありません。「批判？かかってこいやー！」って人はいいですが、そういう人ばかりではないのはさすがにわかるはずです。そんな自分と同じ人間に、言葉のない低評価をぶつけるのは少し酷ではありませんか？あなたに人としての優しさがあるなら、そっと触れずに戻るか、自分の感じたことをコメント欄でぶつけるべきです。少なくとも、人と真剣に向き合うということは、後者のようなことだと思います。


長々と話してしまいました。あくまで持論であり、強制するものでは全くありません。これから先、低評価を押したくなる作品に出会ったときにこれを思い出していただいて、その心ない低評価を止めることができたなら、これ以上ない幸福です。


まとめると


【低評価をしたいレベルの作品に出会った】
↓
【ブラウザバック】or【理由の記されたコメントを残して低評価】


私は低評価がなくなればいいとすら思っています。これは私が個人的に酷い低評価をされた思い出があるから、とかではなく、昨今の占ツクを見ていて感じたことです。


だから、もし自分の好みじゃない作品に出会ったとき、低評価を押す前に少し立ち止まって考えてみてください。この低評価のせいで、作者はどう感じるだろうか。自分が勝手な気持ちでしたことで、本来悩まなくてもいい作者が悩んでしまうのではないか。自分は作者を悩ませたいのだろうか。そもそも低評価をする意味ってなんだろうか。





このホムペを見て、少しでも低評価をする方が減ってくれますように。よかったら、皆さんの意見もお聞かせください。