【実況者】With Music【日替わり】

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でもどうせ歌詞通りなんでしょう？ - 2024年5月6日

アブ・恋人はサンタクロース
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昔、近所のお姉さんは、私に言った。
「今夜、八時になれば、サンタがうちにやってくるのよ」
違うよ、それは絵本だけのお話でしょう。
でもお姉さんは、そういう私にウインクをした。
「あなたも大人になれば、分かるはず、そのうちにね」
そういうものなのかな、と部屋の窓からそのお姉さんの家を見る。
そこにはマフラーをぐるぐるに巻き、コートの下の肩を縮こまらせ、赤い鼻と白い息で、そのお姉さんに笑顔とプレゼントを送る恋人らしき姿が見えた。
そういう事なのか、と子供の私は独りでに納得した。

「可愛い事をいうものだねえ、そのお姉さん」
ニコニコと私に笑顔を見せるアブ。
今はクリスマスの日までの最後の土曜日。
因みにそのお姉さんはサンタに遠くへ連れていかれた。
……言い方悪いな。
そのお姉さんに嫉妬でもしてもらいたいのか、彼は可愛い可愛い言っている。そろそろうるさい。
「ま、私はアブからプレゼントを貰えられれば良いけどね」
「俺から金だけをかっさらわれるだけじゃんか」
布団が二人を包んで、アブは言った。
「風呂は早めに入ってね、YOUちゃん」
あら、私にもサンタさんが来るのかしら？ と言ってやったら、普通何でとか言うものだよ、と返された。

その日、私は昼寝をしていた。私は急いでご飯を作って食べ、風呂に入った。シャワーを浴びていると、インターホンが鳴る。
誰だろう、と思っていたが、すぐにアブだと分かる。
しかし、今大声を出して、アブを呼ぶと近所に迷惑だ。
急いで風呂から出ると、アブは鼻を赤くして、白い息で手を暖めていた。どうやらシャワー音でいると分かったようだ。


「ほら、かっさらってよ」

恋人はサンタクロース 背の高いサンタクロース
雪の町から来る

私は思いっきりキスをしてやった。

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