【おそ松さん】赤い糸、一本【日替り】

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:2,199 hit

＿貴方と私の糸が絡まって、ほどけない。それは時に凶器となり、私達の首を締め付ける。優しく、優しく…

アテンション /
・ちょっぴりシリアスです
・一話一話がすごい短かったり長かったり。バラバラバラ。
・基本変な話です。きゅんとか微塵もありません。

8種類の結果パターン

あなたの糸の色は？ - 2024年5月9日

彼女は、屋上で明るい空を見上げながら言った。

「この世界はこんなに明るくて眩しいのに、どうして私だけくすんで濁ってるんだろうね。」

自傷気味に、彼女は笑う。

くすんでないよ、綺麗で眩しいよ。

言ってやりたい、言ってやりたいのに、なんで俺は何も言えずに空を見上げることしかできないんだろう。
「私はね、見放されてるの。この明るい世界から。こんなに頑張ってるのに、明るい世界は見てくれないし、手もさしのべてくれない。」
「…うん」
「太陽を見ようと努力しても、もうちょっとってところで、太陽が沈んじゃうの。」
「…大丈夫。俺はその努力をちゃんと見てるよ。」
「…ありがと。」
「…それに、俺はそんなお前も好きだし、太陽が見たいのなら、いくらでも見せてやるよ。」
「…月は、自分で光っちゃいけないの。光れないの。…だから…だから、ずっと隣に居て、照らしてくれる？私を光らせてくれる？」
「当たり前だろ。太陽は月が居ないと寂しくて光れないんだから。」
「…帰ろっか。」
「…おう。」

やっと、彼女を輝く月にできた。