【銀魂】今日のキスはどんなお味？

14種類の結果パターン

貴女はどんなお味が好み＿＿…？ - 2024年5月6日

【河上万斉】


『お主、綺麗な音がするでござる』



月明かりがほんのりと2つの影を照らしたとき、貴方に出会った。



とても侍と呼べるような風貌ではないその姿に…
どうしようもなく目を奪われたのを覚えている。




ねぇ、万斉。

貴方と出会えて私はとても幸せでした。





「っ、万斉…！ねぇ、目を開けて…？」



「……YOU。早くここから離れるでござる。拙者の中の爆弾が、起動する前に…！」



敵の兵を1人で受け持ち、晋助やまた子を先に行かせた万斉。


敵から受けた銃弾のせいで、血がとめどなく溢れてくる。


いくら手で血を止めようとしても、小さな手のひらからは零れ落ちるばかり。




「……っ、やだ！やだよ万斉！死なないで…」



必死に名前を呼んでも、必死に血を止めようとしても。


自分1人の力じゃどうしようもないことを痛感する。



ねぇ、万斉。
死なないで、1人にしないで。



お願いだから、貴方と一緒に生きたいの。




「＿＿っYOU！」



「……っ！」



耳元で鳴り響く、金属がぶつかり合う音。
敵兵の刀を受け止め、トドメを指す万斉の姿。


不意に、引き寄せられた。



「＿＿YOU、やはりお主は綺麗な音をしている。最期に一つだけ願いを聞いてくれないか」



「っ、最期なんて、そんなの＿＿っ」




フワリと唇に感じた熱。

その熱が、どうしようもなく愛おしくて。




血の味が、滲む。




何度も重ねてきた。何度も熱を感じた。


最期なんて、訪れる訳ないと思っていたのに。




万斉。ねぇ、万斉。


貴方は、幸せでしたか…？





トンと優しく突き放され、万斉の熱が遠ざかる。






「……っ、やだ、万斉なんで＿＿っ！」




「＿＿＿YOU、愛している。いずれまた、出会える日を待っているから」




逃げろ。



穏やかに笑った万斉の姿は、瞬く間に爆風と煙で消えた。




ねぇ、万斉。
来世で出会ったならば、また恋人になってくれますか。


貴方が綺麗だと言ってくれたこの音を目印に、私と出会ってくれますか。



私はずっと貴方だけを、探すから。












「お主、綺麗な音がするでござる」



酷く懐かしいその声。


月明かりが照らす夜に、私は貴方と再会した。




嗚呼、やっと貴方に出会えた。



愛しい、愛しい…私の＿＿＿



















最期のキスは、切なさと希望を添えて。

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