【日替わり】今日は誰に助けられる？【ダイヤのA】

7種類の結果パターン

今日は誰に助けられるのでしょうか？ - 2024年5月7日

今日は、成宮鳴に助けられます

校門を出たあたりからずっと誰かに付けられている気がして何度も後ろを振り返った

このまま家へ帰るなんて住所を教えるようなものだ

けれど、どうしたらいいのかわからない

頼みの綱である彼氏の鳴には何度電話をかけても繋がらない

『鳴、何してるのっ』

もう何度目かもわからない同じ道をまた歩く

しかし、向こうは疲れたそぶりすら見せない

そうこうしているうちに校門前へ戻ってきてしまった

もう、7時になってしまう

11月のこの時間は夏の夜と同じくらい暗く、さらに寒い

歩き疲れ、校門を入ったところにあるベンチへ腰を下ろした

『鳴のばーか』

そんなことを呟いた次の瞬間背筋が凍った

「めい、って、だれ？」

聞き覚えのない少し低く掠れた男の声

この辺は学校内にも関わらず電灯が少なく薄暗い

年代なんて判別できない

「ねぇ、YOUちゃん。めいって誰？」

声も出ないほど恐怖を感じているのがわかる

手も震え、持っていた携帯も音を立てて落ちた

『め、い...』

なんとなく男が近づいてきている気がする

「だから、めいって誰？教えてよ」

震える口内から小さな悲鳴が漏れる


『めい、たすけてよ...』

視界は歪み、頬には生暖かいものが流れ出す

「泣かないでよ。ほら、一緒に行こう？」

大きくてごつごつをした手につかまれ、すぐ近くにいるんだと感じる

その時、聞き覚えのある声が響いた

「あーあ、疲れたー」

『め、めい！』

今出る精一杯の声を振り絞り彼の名を呼ぶ

「YOU？」

コンクリートを蹴る擦れる音が聞こえる

確実に鳴は近づいている

「彼氏かぁ。僕と一緒に行こうよ。ね、YOUちゃん」

『いや！離して！』

女の力では到底かなわないと分かっていたが鳴がいるということで安心できた

声を上げて入れば彼はすぐにきてくれると

「YOU！」

色素の薄いその髪が光源の少ない暗闇でもキラキラ輝いているのが見える

「離せよ。嫌がってんだろ」

ストーカー男のフードを思い切り後ろへ引き、聞いたことのない低い声で静かに言った

途端にストーカー男の手は緩み、私は鳴の後ろへ隠れた

「君がめい」

うわごとのように呟いた声を遮るように鳴は声を張り上げた

「せんせー！ここに不審者いるぜー！」

小学生のようなその行動に笑いが漏れたが、そのおかげでストーカー男は消えもう現れることはなかった

鳴は「もう1人で帰んなよ」という言葉共に高校生にしては幼い笑顔を覗かせた

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