狂い咲く花であれ

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その花は貴方を…… - 2024年5月7日

「「王子様が来てくれたぞー！」」

え？

村の門の方を見ると

大量の兵士達を連れて馬に乗っている王子がいた

うわぁ…初めて王子様を見たけれどかっこいいなぁ

「この村にYOUがいるはずだ、今すぐ探せ！」

YOU…？って私！？

私の事を探してる？

『あ、あの！私がYOUです』

大声で言いながら王子様のところへ向かう

「……！YOU…そうか…君が……兵士達よ、二人きりにさせてくれ」

そう王子様が言うと兵士の皆さんは下がっていった

「YOU……ずっと探してた…僕の愛しの人…」

『えっ…あ、あのそれは…』

今の…私の聞き間違いじゃないよね……？

「でもね…聞いて欲しい 王族は民と結婚することが出来ない…だから僕と君の恋が叶わない」

そう、確かに王族は血筋を守るため貴族以外の結婚を認められない

「なら……叶わないなら…これくらい…いいよね」

ふっと笑い指をパッチンと鳴らす

それを合図に兵士達が突然

村の家に向かって松明を投げた

一本じゃない

数えきれないほど

『な、なにをしているの！？』

「……君を見ている村の連中全員が腹立つんだ、なんで僕じゃないんだろうって王族だからって理由で勝手に結婚相手を決められて…王族じゃなければYOUと幸せに暮らせたのかもね…」

彼はとても悲しそうな顔をしていた

『は、早く火を……消さなきゃ…皆が…』

今も真っ赤な炎に包まれている村に行こうとしたけれど

「そんなところ行かないで」

王子に捕まれて村に向かえない

『離してっ！』

「君だけは…行かせる事は出来ない…」

そのまま私は馬車に乗せられて王国に連れて行かれた

ずっと王子の隠し部屋に過ごす事になった

…

…

…

後日、私は部屋から脱走し村へと向かった

だけど何も残っていなかった

ただ、一輪の花だけが咲いていた

その花の名前は…

アネモネ

花言葉は……

嫉妬のための無実の犠牲 儚い恋 恋の苦しみ

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