【ヘタリア/ヤンデレ】童話の世界に閉じ込められて…【童話パロ】

11種類の結果パターン

**『Once upon a time…』** - 2024年5月12日

【ヘンゼルとグレーテルby芋兄弟】


ただひたすらに真っ直ぐと続く薄暗い森の中を歩く選択肢しか、私には残されていなかった。

「パンの欠片もあと少ししかない...」
ひもじい思いをしながらも、一生懸命残してきたパンくずに希望を見出す。藁を掴む思いだ。
ふと前を見ると、そこには信じがたいがお菓子でできた可愛い家が一軒立っていた。
森の木々のなか異質なほど鮮やかなそれに驚くが、それより先に空腹による欲が動いた。

「少しだけならいいよね？」
近づいて見ると、扉や窓さえもスイーツでできているみたい。家の装飾品だけなら一個食べてもバレないよね？

「お前...何をしている？」
「ひっ...すみませんお腹がすいていて...」
「ケセセ！別に俺様たちの怒ってるわけじゃねえーぜ！そんなに怯えんなって。それより、それうまいか？」

男性の声がして驚き振り向く。

「え、はい。とても美味しいです。こんなに綺麗で美味なデザートを食べたことなかったので...」
「だってよ！ヴェスト、よかったじゃねーか。これ作ったの殆どお前だろー？」
「ちょ、兄さん...まあそうだが」
凄い、見た目に反して料理が上手なのだろうか？

「すみません！お腹が空きすぎて死んでしまいそうだったのでつい...大事な作品だったなら謝ります。弁償は...」
「ああ、そんなに謝らないでくれ。」
「そうだ、大袈裟すぎるぜー。こんなんヴェストが毎日でも作ってるぜ。だから気にすんな。」

「あ、ありがとうございます！」
「そうだ、お前家帰れねえんだろ？ならさ俺たちと一緒に過ごさねーか？」
銀髪の男は私の手を取りそう言った。

「飯なら毎日沢山作ってやる。勿論デザートも、お前が望むなら...」
「本当ですか！」
「ああ。」

こんなに美味しい話があるだろうか？
疑う余地はあったが、疑って断った所で私に残された術はもうないし。
ここは素直に二人の言葉に甘えよう。
こうして私に新しい家ができた。

にしてもなぜ私が家を追われたことを知っていたのだろう？

◻◻◻◻◻◻◻◻◻◻

「ああー。可愛すぎるぜー。YOU」
「兄貴、独り占めはよしてくれ...YOUは俺たちのもののはずだろう？」
「ケセセ、機嫌悪くすんなよー。大丈夫だ、あいつももう俺たちしか当てがない」
「まあそうだな、なんたってここは普通の奴はたどり着けない場所だからな」





「「ああ、食ってしまいたいほど愛おしい」」

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