貴方の最期を見届けるのは【鬼滅の刃】

17種類の結果パターン

貴方を死を悲しむのは・・・ - 2024年5月8日

【お館様】


息が乱れているYOUの気配と血の匂いが私の鼻をかすめた


お｢YOU、そこにいるのかい？血の匂いがするけど、どうかしたのかい？｣


返事はないが確かに彼女はそこにいる


ただ事ではないことを悟り、鴉にしのぶに来てもらうよう、ことづけた


お｢おいで、YOU。怪我を治してもらおう｣


しのぶが来るまで屋敷で休ませなければ


『いえ、お屋敷が汚れてしまいます。私の穢れた血で汚す訳にはいきません。最後にどうしても、お館様にお会いしたくて、ｺﾞﾎｯ』


YOUは言い終わる前に咳をしたかと思うと、液体が垂れる音がした


お｢YOU、今はそんなことを言ってる場合ではないよ。どうしても、と言うなら命令する。屋敷に上がりなさい｣


そう言えばしぶしぶ屋敷に上がったYOUに、私は手を伸ばした


お｢おいで｣


『っ！ｺﾞﾎｯ！駄目です！お館様が、血で、ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ』


嗚呼、彼女は一体どれだけ私のことを考えてくれているのだろう


体が弱いせいでいつも辛いことは隊士である皆に背負わせてしまっている自分を不甲斐なく思う


だから、私にできることは全部したい


一歩ずつYOUの気配に近づくと、手が彼女に触れた


衣服は、きっと血が滲んでいるのだろう


湿っている


優しくYOUを抱き締めるとそのまま座るように促す


大人しくなったYOUは、私の腕の中でその小さな体を震わせた。


『申し訳…ありません。何も、出来なくて』


ゆっくりと紡がれる言葉は、いつものYOUからは想像できないほどに弱々しい


お｢そんなことはないよ。YOUは頑張ってる。誰も責めたりはしない｣


こうやって、子供達を失うことは恐ろしい


命を落としていく子供達をただ見ていることしか出来ない自分がもどかしい


優しく笑って


仲間を思って


命を大切にしてきたものが、奪われる


あまりにも辛い現実に何度胸を引き裂かれただろうか


それでも、そんな私について来てくれる隊士がいるから今までやってくることが出来た


『お館様。今まで、ありがとうございました』


YOUが言い終わると同時に、急に腕に力が掛かった


最後の最後まで、私に負担をかけまいと力を振り絞っていた事を痛感させられて、どうしようもなく、悲しい


でも、ここで立ち止まる訳にはいかない


優し過ぎるYOU達の為にも、鬼を滅さなければならない


私が倒れれば皆が倒れる


皆を引っ張っていく


それだけが、私に出来る唯一のことだから

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