今日はどこ行く？何をする？【坂田銀時】

12種類の結果パターン

オメーの今日の診断結果だってよ - 2024年5月9日

【ゲーセンデート篇】

「むぅ〜…」

目の前にあるはずなのに何故こんなにも遠く感じるのか。そうか、これが私と君の心の距離なのか。

「でもね…私は絶対に君を手に入れてみせるから覚悟して…いたっ」

ポカッと落とされたゲンコツに振り向けば不機嫌顔の銀さん。

「オイ、デートしに来てんのに俺のこと放ったらかすなや」
「ご、ごめん…」
「なに、俺よかいいモンでもあったワケ？」

後ろから肩に顔を乗せて銀さんは私の視線の先を辿る。

「なんだ、アレが欲しいのかよ」

銀さんが指差す先には巨大なクマのぬいぐるみ。

「なんかあんま可愛くねェな、ダッフ●ーのが良くねェか？」
「ダッフ●ーはあのサイズになると簡単に手を出せない値段になっちゃうからダメ。前に三万するやつお店の棚から落っことした事あるからトラウマだし」
「さ、三万…！！？？」

たかがぬいぐるみのくせしてそんなに高ェのか、と銀さんは嘆く。

因みに店の棚から落っことした話は勝手に落ちてきた事にしたので弁償はせずに済んだ。

めっちゃ店員さんに謝られたけどね。

「んで、YOUはアレが欲しいの？」
「まぁ…近くで見ると可愛いし」

再度そう問うと銀さんは懐から財布を取り出した。

「え、何してんの？」

嫌な予感がして聞けば銀さんは

「だって欲しいんだろ？俺が取ってやらァ」

と当たり前のように切り返す。

「いや、ゲーセンのは簡単に取れないから普通に買った方が早いよ！」
「んだよ文句あんのか？YOUが欲しいつってんだから取るのは彼氏の義務だろーが」

何だか意味の分からない自論を唱えて銀さんは百円を機械へ投入する。

ウィーンとゆっくりアームが動いて目当てのクマの首を掴みそのまま取り出し口へ運ばれていく。

「大体よォ…たかだかカラクリ相手にこの銀さんが遊ばれるわけ…」

ボトッ

そして、無情にも取り出し口手前でクマさんは落っこちた。

「…。」
「…。」

痛いぐらいの沈黙。

「良い度胸じゃねェか、こうなったらとことん遊ばれてやらァァァァァ！！」

こうして数時間と大金をはたいた末にようやくクマが私の手元に届いた頃にはすっかり日も暮れていた。

「なんかごめん…」
「謝るな…泣きたくなるから」

すっからかんの財布片手に帰路に着く私達。

「でも、嬉しかったから…絶対大事にするね」

ぎゅっとぬいぐるみを抱き締めそう言うと銀さんは

「嬉しいこと言ってくれるじゃねェか」

と言ってはにかんだ笑顔を見せた。

END

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