蜂蜜のように優しい一時をあなたに

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今日は誰かしら？ - 2024年5月8日

カランカラン、今日も扉が開く時になる鈴の音がする。


「いらっしゃい。…あら？蘭ちゃん。久しぶりね？」


「あ、お久し振りです！すいませんなかなか来れなくて…」


「あら、いいのよ？少し寂しいけど、忙しいものは仕方ないわ。で、今日は何にする？」


「えっと…、じゃあレモンパイで…」



あら、コナンくんがいつも食べるものじゃないの。


…幼馴染って、好みも似るものなのかしら。



「あとそれと、レモンティー１つ。」


「了解、少し待っててね。」



そう言ってレモンパイをオーブンに入れて、レモンティー作って…



「はい、レモンティーね。」


「ありがとうございます！」



そう言って、レモンティーを飲む蘭ちゃん。



「…そういえば蘭ちゃん。」


「はい？」


「ラブレター貰ったって本当？」


「んな！コナンくんに聞いたんですか…？」



前にコナンくん１人で来店してくれた時に、蘭ちゃんがラブレター貰ってたと相談を受けたのだ。



「えぇ、新一兄ちゃんがいるのにラブレター貰ってたってね。ふふっ、可愛い子よね。」


「う…、まぁたしかに貰ったんですけど、断ったんですよ。」


「あら、そうなの？」


「はい、私はやっぱり新一を待ってようと思って…、園子にもダンナだって茶化されるけど、満更でもない私がいるし…、って！これ新一には内緒ですよ！！」


「えぇ、わかってるわよ。」



健気ねぇ…、愛しい人を待ち続けるって…


…会いたいのに会えないあの子も健気だけれど。



「…大丈夫。あなたの元に必ず戻ってくるわよ。あの子、一途だもの。…ほら、これでも食べて元気だして。」



そう言って、焼き上がったばかりのレモンパイを出す。



「わぁ、美味しそう…、頂きます。」


「はい、召し上がれ。」



そう言って蘭ちゃんはレモンパイをぱくり。



「…美味しい。」



そう、この顔。


私この顔が大好きなのよ。


美味しいって思った時に無意識に零れる笑み。


それが私に元気を与えてくれるの。



「ふふっ、良かった。」



その後はひたすら蘭ちゃんによる新一くんの愚痴を聞いていたのだった。

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