悪気は無いんです【utit】

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いや、悪気はないんだよ。
……ただ、ちょーっと見えちゃっただけ。

＿＿悪気は無かったのに、覗き見してしまったことを咎められてしまう(名前)ちゃんのお話。

*

一部、(名前)ちゃんが覗くのではなく、覗かれる側になるお話もあります。

覗くお話→○
覗かれるお話→●

*

初・日替わり小説。

この機会に「日替わり小説たるもの」に手を出しておこうと思いまして…((

◎出てくる方々(敬称略)◎
・まふまふ○
・そらる○
・うらたぬき○
・あほの坂田。●
・志麻●

◎お話◎
・mf／勘違い
・sr／抱かれに来た訳じゃないです
・ur／写真
・sk／ラッキースケベかよ
・sm／油断大敵

◎リクエストについて◎
・リクエスト募集中です！
・来たリクエスト全部を消化できる訳ではないのでご理解ください。
・抽象的なリクエストでもいいですが、できれば具体的なリクエストをお願いします！

※s.t.p.rは書けません。
※A.t.R、U.S.S.S、一部のX.Y.Zメンバー、あと天.月さんしか書けませんご容赦ください…

◎メイン小説◎
・行ってらっしゃいませ、ご主人様。
：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/syousetum2-02/

5種類の結果パターン

悪気は無いんだよ…… - 2024年5月5日

「勘違い」

*

『ただいまー……』

疲労した体を引きずるようにして帰ってきた私は、力なく挨拶をして家に上がった。

いつもだったらすぐに「お帰り！」と飛んできてくれる彼が、珍しく飛んでこない。

飛んでこなくても、いつもお帰りの声は聞こえてくるはずなのに。

「まふくーん……？」

たまたま明かりがついていた彼の部屋を、少しだけ開いていた扉から覗き見する。

何やら真剣な面持ちでスマホの画面とにらめっこをしているようだ。

一体何をしているんだろうか。
そんな好奇心が芽生え、覗き見だけのつもりが気づけば扉に手を掛けていた。

扉が引き戸だったために、キィ…と扉が軋んだ。……あ、バレた。悪気ないのに…！

「…YOU……？そこで何してるの？」

『えっ、その……えと……』

さすがに「覗き見してました」はやばい。
罪悪感ないでしょ、ダメダメ。

悶々と言い訳を考えていると、ふと上げた視線にまふくんがこちらに迫ってきているのが映った。

『…へ』

「YOU、なんかやましいことでもあるの？ていうか、いつからそこにいて見てたの？」

微々たる苛立ちを感じた私は、自分が悪いのに勝手に涙がぼろぼろと溢れてきた。

『…ごめ、ん…』

「えっ、YOU？どうしたの？僕、なんかしちゃった？」

『そんなことない、ちょっと……ほんのちょっと、怖くて……』

なおもしゃくり上げて泣く私に、まふくんは溜め息をした。あ、終わった。呆れられた。嫌われた。

確証もない悪い被害妄想が私の脳裏をよぎる。それがさらに私の涙を加速させる。

ちゅ、

「……YOU、僕のこと、怖い？」

『…ううん、』

とても優しい顔をした彼が、目の前にいた。

『私ね、まふくんが何してるんだろうって、気になって…』

「…うん」

『真剣な顔してスマホを睨んでるまふくんは、とてもじゃないけど話しかけられるような感じじゃなかったから……仕方なく、覗き見をしてるような状況になっちゃって』

「…うん、」

『すごく何をしてるのか気になって、気づいたら扉を開けてたの。悪気はないの、許して…』

「ううん、許すよ。というか、最初からYOUに気づかなかった僕が悪いんだ。ごめんね」

『いいよ。……ところで、まふくん何をしてたの？』

本来気になっていたことを本人に言うと、少し頬を赤らめてこう言った。

「…もう少しで、付き合いはじめて二年目だから。計画練ってたの。」