今日はあの子に癒されたい（東方project）

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今日はこの子！ - 2024年5月1日

「大丈夫？」

金色の髪で赤いヘアバンド、か？をつけた少女が俺を覗き込んで言った。
どこだここは。そして、誰だ？

「私はアリスマーガトロイド。あなた、もしかして人間？」

それが俺と彼女の出会いだった。
彼女は行く当てのない俺を住まわせてくれた。とても優しい人だ。でも、笑った顔を見たことがない。
ある日、彼女の友達である魔理沙という少女がまた尋ねてきた。アリスさんは外出中だったので俺が対応した。

「あいつ、表情の変化が少ないんだよな。喜びとかその辺の表情が特に。睨むのとか上手いんだけど」

そのようらしい。

「いや全く笑わないとかいう訳じゃないんだがなー。照れてるんじゃ？」
「照れている？何故？」
「私が思うにだな。お前のことが好きなんじゃないか」
「ふごっ！？」
「おいこら紅茶吹くなよ、もったいないだろ。器用だし面倒見良いし、良い嫁になると思うな。じゃな〜」

彼女は紅茶を飲んで、用件を伝えずに帰った。何をしにきたのだろう。すると入れ違いでアリスが入ってきた。

「魔理沙と話してたの？」
「まあ。何の用か分かりませんでしたが」
「そう」

何か不機嫌そうだ。

「何かあったんですか？」

彼女は人形を操る糸で遊んでいた。糸は全く絡まないのだから凄い。白い人形のような指先が滑らかに動く。

「何も」
「もしかして、勝手に魔理沙を入れたから」
「魔理沙？」

彼女の指が止まった。

「え？」
「呼び捨て……」

確かに多少仲良くなったので魔理沙のことは呼び捨てだが……。

「もしかしてアリスさんも呼び捨てが良いんですか？」
「別に……」

少し顔が赤い？照れているのだろうか。

「そうですね？」
「いや、あの、」
「そうでしょう、アリス」
「……っ」
「アリス、可愛いよ」
「ちょ、調子乗るんじゃないっ！」

怒られた。本当のことを言っただけなのだが。

「アリス……アリス。悪くないわね」
「気に入ってもらえたようで嬉しいです」
「じゃあこれから呼び捨てね！私もあなたのこと呼び捨てにするから」

彼女はにっこりと微笑んだ。初めて見た笑顔は、天使のようだった。
そして彼女は紅茶に口を付けた。

「あ、それ俺の……」
「！？」

トマトみたいに真っ赤に。

「か、かかっかかんせちゅ…….！ごちそうさまでした！」

彼女はカップを置いて、この場から逃げ出した。
ごちそうさまでしたって、律儀だなあ。



「評価、コメントしてほしいんだけど、駄目かしら？そうしないと糸で操っちゃうわよ……冗談。」

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