【ジョジョ日替わり】伝われ、この想い

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今日は… - 2024年5月14日

釈然としない。
何が釈然としないかって？

そりゃあ、幼馴染の“広瀬康一”が他の女子たちと仲良く話しているからだ。
昇降口で誰かと楽しそうに話す彼は、一緒に帰る約束なんて忘れてしまっているみたい。

｢ごめんごめん、遅れちゃった！｣

後頭部に手を当てながら、申し訳なさそうに謝る。

｢…しゅーごー時間三分遅刻だよ｣

YOUはぷいっと後ろを向き、不機嫌そうに答える。

｢実はクラスメートの子に明日の持ち物聞かれちゃってさ。これでも急いで来たんだけど…ひょっとして、怒ってる？｣

康一は心配そうな表情で、YOUの顔を覗き込む。

｢怒ってないです。至って普通です｣
｢敬語になってるし…本当にごめん…？｣

そこまで言うと、少し不思議そうな表情をする。YOUが不審に思って康一の方に向き直ると、今度はニタァっと嫌な笑みを浮かべる。

｢ひょっとして、僕が他の人と話しているのに嫉妬してるんでしょ？｣
｢はぁ？！自意識過剰も程々にしなよ！｣

そうは叫んでみるものの、YOUの顔はゆでダコのようにみるみる赤くなっていく。
そんな幼馴染の顔を見て、ますますニヤニヤと笑う康一。腹の底の黒い部分が見え隠れしている。

｢図星なんだな？YOUは昔っから嘘をつくのが下手だよねぇ〜？｣
｢違うってば！ふん、もういいもん！今日は仗助と帰る！｣

今度こそ、YOUは後ろを向き、校門に向かってスタスタと歩き始める。
すると、突然右腕を掴まれる。

｢痛い！握力強い！｣
｢約束を破るつもり？仗助くんの所へは行かせないよ！｣

慌てた様子で康一が呼び止める。
今度はYOUが黒い笑みを浮かべた。

｢あれれ、康一嫉妬かな？｣
｢ち、違うよ！僕はただいつも通り君と帰りたくて…｣

ハッとして言葉を止める康一。
そんな彼の言葉をYOUは聞き逃さなかった。

｢ほーら、やっぱり仗助に対する嫉妬なんだ！｣
｢…YOUには一生勝てそうにないよ｣

溜息をつき、ほんのり顔を赤らめて康一は答える。

｢あはは！私の勝ちだ！何か奢ってよ！｣
｢えぇ〜？！仕方ないなぁ…コーヒーでもいい？｣
｢勿論！やったー！｣

無邪気な笑顔と素直なコトバ。
昔から変わらない幼馴染の姿。





｢これからも一緒にいられるといいね｣
｢ね。ずーっと一緒にいたいね｣

彼が呟けば、彼女は答える。
それが恋心だということも知らずに。

そんないつもと変わらない幸せな放課後。

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