【fischer's】貴方に贈る花言葉を

7種類の結果パターン

見てくれてありがとう - 2024年5月7日

【マサイ】→ヒヤシンス
▽.純愛
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

YOUside







ｶﾗﾝｶﾗﾝ


『いらっしゃいませ』


抱えていた花を机に置きドアに目を向けると、いつものようにカメラを抱えた高身長のカレが微笑んだ


「花、撮りに来た」


『ふふ、いつもありがとう』


私が育てた花をマサイは毎回カメラに収める

私が花屋を継いでから随分と経つけれど、マサイは撮影の合間を縫って1週間に1度、欠かさず来てくれる。


『マサイが頼んでたヒヤシンス、今日綺麗に咲いたんだよ』


「マジで？！何処で咲いてる？」


数ヶ月前にマサイに「育てて欲しい」と頼まれ、水耕栽培していた淡い青のヒヤシンスを指差すと、マサイはまるで新しい発見をした子供のような笑顔でカメラを構え、角度を調節しながらシャッターをきる。


そんな姿に昔から変わらないなぁ、なんて思わず笑みを溢しながらカメラに夢中になっている間に、もう１つ頼まれたものを作る



誰かへ……きっと女性への送りものであろうそれを、丁寧に、丁寧にラッピングしていく


最後に「I love you」のカードを挟んで出来上がったそれは、皮肉にも今までで１番綺麗に仕上がった








＿＿＿＿＿＿＿青いヒヤシンスの花束



あぁ、私はマサイの好きな誰かのためにこの花を育ててきたんだ

この関係に終止符を自ら打つ事になるとは



思わず目元が熱くなるが、首を振って否定する。だめだめ、応援するって決めたんだから



「あ、頼んでたの」


『…出来たよ』



笑顔で花束を受けとる姿にズキズキと胸が痛んだ

もうきっと、ここへはマサイは来ないだろう。



「あ、お金」


『要らないよ。だから、どうか……幸せになって？』


精一杯の笑顔をマサイに向ける。泣くな、私。最後位笑顔で送りだそう


「……なんか勘違いしてない？」


『え、』



思わず拍子抜けした声が口から洩れ目を見開く私の目の前で、マサイは膝まずく



「俺が好きなのはずっと前からYOUだけだよ」


『どういう、こと？』


「そのままの意味」


だから泣かないでよ、なんて目元が長い指で拭われる。泣くなと自分で言い聞かせても涙が溢れて止まらない。



『ほんっ…とに…わた、しで……良いの…？』


「YOUがいい」


ぎゅうと抱き締められて、いよいよ声をあげて泣いてしまった







あぁ、この優しさも温もりも匂いも、本当に昔から変わらない

どうか、この先もそのままでいて


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

ヒヤシンス
→変わらぬ愛

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