あの人ともしあんな関係だったら…【男性声優】

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今日はこの方です! - 2024年5月7日

福山潤×本屋の店員


私がよく行く近所の本屋には、とある店員さんがいる。
2階建てのお店の、1階のレジによくいるその彼に、私はどうやら恋をしてしまったみたいで。

叶わないとわかっていても、今日も私は彼に会いに行く。

・・・

お店に入って、早速店内を見渡すと。
………いた。
やっぱりレジに立っている。

今日は欲しい本が2冊ほどあるので、まずはそれを探す。

そして、はやる気持ちを抑えて、レジへ向かった。

「いらっしゃいませ」

一瞬目が合って、にこりと笑う彼。
その優しい表情と声にドキッとしてしまう。

「お預かりします」

ピッ、という電子音を聞きながら、彼の胸元に名札を発見した。
福山、という名字を即座に暗記する。

言われた金額を出すとき、少し手が震えていることに気づいた。
たかがレジに緊張している自分に、内心苦笑いしてしまう。

「カバー、おかけしますか？」

『あ、お願いします』

手際よくカバーかけを進める彼に半ば見とれていると。

彼が口を開いた。

「____最近、よく来られますよね」

『………え、あ、はい』

心臓がドクンと跳ねる。
覚えててくれてたんだ、私のこと。

「本、お好きなんですか？」

『…はい』

「いいですね、僕…本好きな女性って好きなんです」

『………………………え』

す、き？

ポカンとしている私をよそに、彼はビニール袋に本を入れ、差し出した。

「いつもありがとうございます。また、お越しください」

そして、さりげなくウィンク。

『……はい』

私は爆発しそうな胸を抑えて、店をあとにした。


家に帰って、気持ちを落ち着かせる。
彼のことを思い出すとどうにかなってしまいそうだから、とりあえず買った本でも読もうと、袋に手を突っ込んだ。

すると、本2冊の他に、一枚の小さな紙が折り畳まれて入っている。
取り出して広げてみると、それはメモ用紙。

『_______え？嘘…』

真っ先に目に飛び込んできたのは、手書きの
“福山 潤”
という3文字。

書かれていたのは、紛れもないあの彼の、本名とメールアドレスだった。
気づかないうちに袋に入れられていたのだ。

脳裏に、彼のウィンクがよみがえる。

『…福山、潤』

初めて知った、彼の本名。

『……あぁ………………好き…』

思わずそう呟いて、彼がカバーをかけてくれた2冊の本を、抱きしめた。

もちろん、その後メールアドレスを登録した。


End
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