TVXQ　奏心な愛　1　～ユチョン～

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Aさんの診断結果

第47話：TAXI　～ユチョンside～
タクシーを拾うため俺たちは大通りに出た。

不景気のせいか空車のタクシーはすぐにつかまり、そして、俺たちを乗せて夜の街を走りだした。

タクシーの中は触れそうで触れらない微妙な距離感で、そんな距離が俺の鼓動を速めた。
それを悟られないように、俺は窓の外に目線を向けた。

タクシーのラジオから流れるＤＪの渋い声。
「次の曲は、東方神起で『TAXI』。」

俺たちは思わず顔を見合した。

「♪絡めた指を解く度その温もりを握り返した♪」
出だしのチャンミンの哀愁に満ちた歌声が車内に流れた。

「なんか切ない曲だね…。」
彼女が呟いた。
もともと歌詞も曲調も切ないバラードだが、暗闇に包まれている街の景色がそれを一層強くした。

「…運転手さん、ここで止めて下さい。」
俺はタクシーを止めてもらいAさんの手を引いて降りた。

「ユチョン、どうしたの？」
不思議そうに俺の顔を見るAさん。

『TAXI』…この曲はとてつもなく切ないバラードだ。
この曲を最後まで聞くと、きっと俺は雰囲気にのまれタクシーの中で彼女を抱きしめてしまっただろう。
そう考えると居ても立ってもいられなくなりタクシーを降りた。

「お腹空きませんか？この近くに僕がよく行くお店があるんですよ。行きましょう！」
「えっ、うん。」
俺はわざとおどけてみた。彼女は戸惑いながらもそんな俺に付いてきてくれた。

向かったのはオモニのお店。
本当はオシャレなバーとかに行きたかったが、車内の雰囲気を引きずりそうだったのでやめた。

(韓国語)
「こんばんはー。」
「ユチョンいらっしゃい。あら、一人じゃないのね。彼女？」
「ち、違いますよ(照)。」
「何照れてるの？隠さなくてもいいでしょ！」
オモニの言葉に赤くなった俺を、韓国語が分からないAさんは不思議そうに見た。

俺たちは席に着いた。
「いらっしゃい。何にします？」
お店のスタッフがオーダーを取りに来た。

「えっと、俺は焼酎。Aさんは？ビール？」
「私、飲めないから…ウーロン茶で。」
そして俺たちのテーブルにドリンクとキムチの盛り合わせが運ばれてきた。