Paradise 2 〜TVXQで妄想〜

Aさんの物語

一人
朝帰りしたユチョンが眠りについたのを密かに確認すると
ジュンスはそっとベッドから抜け出し、
身支度をして部屋を出た。
誰もいない薄暗いリビングで、
食卓に座り納豆をかっ込む。

ジュンスは簡単な食事をあっという間に片付けると
玄関を出ていった。

・・・・・

マネージャー「どうしたんだよ。まだまだ時間あるのに。」

ジュンス「なんとなく、来ましたーはは(笑)」

ジュンスはタクシーで所属事務所のビルに来ていた。
マネージャーは訝しげな表情で空いている会議室にジュンスを連れて入る。
事務仕事の途中だったマネージャーはジュンスをひとり残して出て行った。

ジュンス「ふー・・・」

部屋の奥に進み椅子に座ると、何かを踏んだ感触。
テーブルの下を覗き込むとタバコの箱が落ちていた。
ジュンスはそれを取って中を確認した。一本取り出す。
人差し指と中指の間に挟み、眺めた。

ジュンス「・・・あ、火が無い。」

ふっと笑う。

(ていうか、僕は吸う気だったのか？(笑))

ふと、ユチョンがAの手を握っているシーンが脳裏に浮かんだ。
憂いを帯びた大人な表情をしたユチョン・・・。

(年上のAちゃんに、お似合いだよな・・・ユチョンは・・・。)

タバコをぽいっと放り投げた。

(どーせ僕は・・・たばこも吸えない、お酒も弱い・・・)

ため息を吐きながら、
テーブルに両腕を投出し、突っ伏した。

「Aちゃん・・・」

無意識に口をついて出た名前。
自分で発したその言葉を聞いた瞬間、切なさが押し寄せて来た。

(なんで・・・なんで僕はユチョンの幸せを喜べないんだ・・・)

ジュンスは目を閉じた。
どうしていいのか、わからなくなっていた。

Aに、
会いたいのに、会いたくない。
会いたくないのに・・・。

「会いたい・・・。」

今度は昨夜のチャンミンが出て来る。
(『あきらめるんですか？』)

(・・・うるさい。)

ジュンスはそのまま眠ってしまった。

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