ユノとAさんのお話
第99話：何だか変な感じAのマンションが見えてきた。
何だか変な感じだな。
住んでる所じゃないのに、朝ここから仕事へ向かって、
また同じ場所へ帰ってくるなんて…。
オートロックを解除してエントランスへ入り、
エレベーターで７階まで行ってAが部屋の鍵を開ける。
出してくれたスリッパを履いて、リビングまで行く。
マンションが見えてから、僕がずっと無言だったのを不思議に思ったのか、
Aは少し下から覗き込むようにして問いかける。
「ユノ？」
「うん？」
「ソファーに座って待ってて。仕事部屋の方を少し片付けて来るから。
昨日の昼から入ってないから、散らかったままなのw」
「分かった」
そうして僕は、ソファーに座ってAを待った。
５分位でAに呼ばれ、仕事部屋へ入った。
Aはメジャーを持ち、採寸する準備が出来ていた。
そして僕にメモとペンを渡す。
これに採寸したサイズを書いて欲しいって。
「上着は脱いで、そこにかけておいてね。
ベルトはどの位締めてるの？ きつく？ それとも緩く？」
「きつくもなく、緩くもなくだけど。それが？」
「ベルトの締め具合で、数cmでもウエストが細くなるからよ。
後でウエストを測る時に、落ちない程度に緩めてね」
「それもそうだね。分かった」
そうしてAは僕のあらゆる場所のサイズを測った。
服を作る時って、こんなに色んなサイズを測るんだ…と初めて知った。
僕は言われるがまま腕を広げたりした。
時間をかけて色んな所のサイズを測り、それを僕がメモしていく。
ウエストを測る時も、ベルトを落ちない程度に緩めた。
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作者名：haruka | 作成日時：2010年1月1日 0時
