灰と赤【クロシン・コノシン・遥伸】

今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:4,902 hit

Aさん、見てくれてありごとうございますbyシンタロー

17:もぐもぐ果たして遥先輩は何を言ってるのだろうか。

食べる？遥先輩が俺を？
そもそも人の肉なんて美味しいのか…？

いや、それより人の肉を食べるなんて怖すぎるだろ、悪趣味過ぎかよ…。

「○○○君…？」
「は、はい！！」
「ぼーっとしてどうしたの？」

「え、あ、いや、なんでもないですよ」
「本当に？」
「はい…」
「嘘ついたら○○○君の事食べちゃうよ？」
そう言い終えると遥先輩は疑いの眼差しを俺に向けてきたのだ。
俺はその眼差しに耐え切れなくなり、本当の事を話す事にした。

「ごめんなさい、考え事してました」
「何考えてたの？」
「あの、遥先輩って人の肉食った事あるのかなーとか…」
俺がそういうと遥先輩はクスクスと笑い始めた。

「なんでそう思うの？」
「だってさっき俺の事食べるって…」
「あれは食べると言っても物理的な意味じゃないよ？」
「え…じゃあどういう…」

「あの食べるはね…こういう意味だよ」

視界が急にぐらりと揺らいだ。
そして数秒の時間が経ち俺はやっと現在の状況を理解する。

そう、俺は今ベットの上に、遥先輩に押し倒されているのだ。

「あ、あの、遥先輩…まさかとは思いますが…」
「うん、そのまさか」
「え、あの、やめましょうよ…」
「なんで？」
「なんでって…まだ高校生なのにこういうことは…」
「なら、大人になったらしてもいいの？」
「い、いやそれ以前に男だし…」
「なら僕か○○○君が女の子だったらいいの？」
「その前に恋人でもない人とこういう事は…」

「○○○君、好きです、僕と付き合って下さい。」
「え…？」

突然すぎる告白に俺は頭が真っ白になった。
まだ知り合って間も無いのに、しかも男なのに、あれか、世に言う薔薇ってやつなのか。
残念ながら俺はそっち系ではないんですよ。

「ねえ、○○○君、待って」

「○○○君、どこ行くの」

頭の隅でそんな言葉が聞こえた気がした。