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Aさんのﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝ。
玉藻京介.
｢玉藻先生…これ。｣
｢…今朝からこういう箱や袋が多数私の元に届くが……今日は何かあるのか..?｣
｢えっ…知らないの…? ﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝ…｣
｢……あぁ…この間ﾐ○ﾈ屋で特集をしていたあれか…｣
観てるんだ…ﾐ○ﾈ屋…
｢他の人には訊かなかったの? 今みたいなこと。｣
｢皆手渡して一方的に2〜3言話すと走り去って行く…。｣
なるほどね…
納得している間に玉藻先生はｽﾙｯとﾘﾎﾞﾝを解いて箱を開けた。
｢ほぉ…いなり寿司型か…｣
…丸く作ったつもりなんだけど……
｢…美味しい岩塩をふんだんに使ったﾁｮｺﾚｰﾄだ…実に……ﾕﾆｰｸな味わいだ。｣
岩塩…?!!
やば…やらかした…
ﾍﾞﾀな失敗…
｢あ、あの…ごめんなさい…｣
｢いや、私は構わないが…痕が残るような傷を負ってはいけない。あまり得意でないのなら無理をして料理をするのは控えた方が…。｣
｢………はい…｣
｢ﾌﾌｯ… 悲しむ事はない。A…君を完璧で近寄りがたい人間にしないために、神があえてこの料理の腕をﾞﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄﾞしてくれた…そう思えば良い。 いわゆる｢可愛げ｣という側面だ。 さぁ、暗くなる前に帰りなさい..。｣
｢はい…また明日!｣
やっぱり…
やっぱり私は…
あの人が大好きだ…!
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作者名：えれな | 作成日時：2015年3月10日 19時
