私とＴＶＸＱの甘い生活　第六章

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Aさんの診断結果

初舞台ライブが始まった。
私は楽屋のモニターで会場の様子を見ていた。
プロデューサーが連れて来てくれたお医者様に点滴と応急処置をしてもらい、会場の外には救急車が待機している。
ユチョンのお母さんは、さっきから私の手を握ったまま放さない。表情からして、すごく心配してくれているのだろう。
本音を言うと、今にも気を失いそうなぐらいだ。
だが、気を張っているせいで、何とか自分を保てている。青白くなった私の顔は、メイクを濃いめにすることで、なんとか普通に見える。
ＳＦ:「Aさん。そろそろスタンバイ、お願いします。」
A:「はい...」
私はユチョンのお母さんに支えられながら、舞台袖まで移動する。
会場では、チャンミンのソロが披露されていた。
暫くすると、ソロの衣装に着替えたユチョンが舞台袖にやってきた。黒のハットを被り、白のシャツを着て、下はジーパンというシンプルなスタイル。
ＹＣ:「オモニ、カムサハムニダ。A、行こうか。」
目眩が酷くて一人では歩けない私の手を持ち、腰を抱く。
A:「オモニ...カムサハムニダ。サランへ...」
私はユチョンのお母さんにそう告げると、ユチョンのお母さんはにっこり微笑んで、手を振った。
私はユチョンと共に、舞台へと歩き出した。
観客席からは、悲鳴にも似た歓声が響き渡っている。
私とユチョンは、ステージ真ん中に用意されたピアノの椅子に座る。
ＹＣ:『今日は僕達東方神起の大事なプリンセスと一緒に、ピアノを弾きます。彼女は日本のピアニストですが、今日が初舞台です。みんな、温かく見守ってください。』←『』は韓国語。
ユチョンがそう言うと、観客席にいたファンは全員が拍手をしてくれた。
ユチョンは私の手を握り、フゥッと息を吹き掛けた。そして、ユチョンが一つ頷く。
私はその合図で、一度目を閉じ、指に全神経を集中させた。
そして、目をゆっくりと開けピアノの鍵盤に指を置き、前奏を弾き始めた。
あれだけざわついていた会場一帯が一気に静まり返り、ユチョンのピアノの音と私のピアノの音。そして、ユチョンのしなやかで妖艶とも言える声が会場一帯を埋め尽くしていった。
私の初舞台は、僅か３分強という短い時間であったが、私にとってはとても長く、そして、夢見心地の時間だった。