SJ―偶然じゃなくて必然。[DongHae]

Aさんの診断結果

酔っぱらい君はーっと息を手に吹き掛ける。


自分の納得できる資料が出来上がって、疲れていつもならタクシーに乗るところを気分良く歩いていると、

道の脇から酔っ払った男の人がふらふらと出てきた。
顔が良く見えないんだけど、多分若いな。
しかも、ちょっと、飲みすぎなんじゃない？と思ってしまうほど、足取りが危うい。
一人なのかな？
ふらふらしすぎで、踊っているようにも見える酔っぱらい君(笑)

ちょっと笑ってしまった手前、変に絡まれても怖いから、追い抜こうとちょっと早足で歩く。

さぁ追い抜こうとしたとき―――


あっ、電信柱にぶつかる…！


と思うのと同時に、酔っぱらい君のしていたマフラーをとっさにぐいっと引っ張っていた。


??「ぐえっ」

割りと力をいれちゃったみたいで、酔っぱらい君がしゃがみこんでむせてる。
…どうしよう。

A「す、すいません…電信柱にぶつかりそうだったのでつい…大丈夫ですか？」

テンパって、とりあえず背中をさする。

??「ごほっ…え？電信柱…本当だ。ありがとう。あーでも、びっくりした…」

相当びっくりしたんだろうな。酔いが覚めてるよ。
とりあえず怪我しなくて安心した。

…………

沈黙が走り、特に話すこともなくてきまずい…。

A「…怪我が無くてよかったです。じゃあ」

なんか居たたまれなくなって、軽く会釈してその場を離れる。


家に着く頃には酔っぱらい君の事なんて忘れて、なだれ込むようにベッドに飛び込んだ。


あのとき、酔っぱらい君がわたしの事を見えなくなるまで見つめていたことを知るのは、もう少し、先のお話。

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